レッド「……」
レッド「……」
レッド「……」
レッド「……」
レッド「……」
レッド「…暇だ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1491233013
レッド「全然人と会わないし、退屈だ」
レッド「ゴールドって言ったっけ、あの子もここ数年来てないし」
レッド「まあでもそうだよな、苦労して山頂まで来ても全滅で金とられるだけだもんな」
レッド「そういや毎月食料届けてくれるグリーンも今月来てねえな…」
レッド「もうすぐ食うもんがなくなっちゃうぞ」
レッド「あいつ結婚しちゃってるし、やっぱこれ以上は迷惑かな」
レッド「……」
レッド「よし決めた、山をおりよう」
レッド「今日、今すぐだ」
レッド「何年ぶりだろ…あれ?」
レッド「俺今何歳だっけ?」
グリーン「それでは今月のジムリーダー会議を終わります」
グリーン「解散」
エリカ「グリーンさん♪」
グリーン「おう、どうした」
エリカ「今日の晩御飯は何がいいですか?」
グリーン「ハンバーグ!」
エリカ「はい、わかりました」
エリカ「私スーパー寄って帰りますね」
グリーン「おいおい、俺も一緒に行くよ」
エリカ「今日はナツメさんと約束してるので」
グリーン「お、おう…そうか」
グリーン「いやいいよ、せっかくの休みなんだしゆっくりしてきな」
グリーン「子どもたちは俺がちゃんと見とくから」
エリカ「大丈夫ですか…?」
グリーン「そんな心配しなくてもいいよ」
グリーン「大丈夫だ!…お手伝いさんもいるし」
エリカ「それもそうですね、ではお言葉に甘えて」
プルルルル
グリーン「あ、電話だ、悪い」
レッド「もしもし、レッドだけど」
グリーン「お前からなんて珍しいなレッ…あっ!」
グリーン「す、すまん!忘れてた!」
グリーン「今から持って行くから待ってろ!」
レッド「ああ、それならいいよ、俺山おりることにした」
グリーン「ええっ!?」
レッド「いつまでも山にいられないし、ちょうどいいと思ってさ」
グリーン「そうか…」
レッド「でさ、今からお前ん家行っていい?」
グリーン「今から!?」
レッド「前に家買ったって言ってたし見たいなーと思って」
レッド「それに…ここ数年お前としか話してないんだよ」
グリーン「そうなんだ」
レッド「家帰ってもうまくしゃべれないかもしれない」
グリーン「親だろ!?上手く喋れないってどういうことだ、別に喧嘩してたわけでもないのに」
レッド「そうなんだけどさ…」
レッド「気まずさってのはやっぱあるんだよ」
グリーン「まあわからんでもないが」
グリーン「…わかった、今どこだ?迎えに行ってやる」
レッド「チャンピオンロードの手前あたりだけど…えっ泊めてくれるのか」
グリーン「そんな話全くしてなかっただろ!てか泊まる気だったのか!?」
グリーン「ああ…友達だよ」
エリカ「泊まるとかなんとか言ってたようですけど」
グリーン「冗談だろ」
グリーン「そんなことにはならないから気にしなくていい」
グリーン「遊ぶ約束してたの忘れてたんだ、俺もそんな遅くならないから」
グリーン「じゃあ行ってくる」
グリーン「この辺にいると思うんだけど…詳しい場所聞いてなかったな」
プルルルル
グリーン「お、ちょうどレッドからだ」
グリーン「はい、もしもし、お前どこにいるんだ?」
レッド「後ろ」
グリーン「後ろ?」くるっ
レッド「いきすぎ、もうちょっと左」
グリーン「左」
レッド「その正面の岩の裏」
グリーン「あ、なんか赤いの見える、あれか」
レッド「誰かに見つかったら恥ずかしい…」
グリーン「お前よく山からここまでこれたな」
レッド「ああ、苦労した」
グリーン「……」
レッド「……」
グリーン「ま、まあこんなとこで話てもあれだし…俺の家も見るぐらいなら別にいいから…とりあえず行こうか」
レッド「うん」
レッド「へー、タマムシに家あるんだ」
グリーン「ああ、エリカのジムもここだしカントーの中じゃ大きい街だからな」
レッド「この街もけっこう変わったな」
グリーン「お前が最後に見てから何年たったと思ってんだ」
レッド「…わかんない」
グリーン「…まあ何年もたってんだ、街も変わるし、人も変わる」
レッド「人もねぇ…まさかお前が結婚するとは思わなかったもんな」
グリーン「俺はお前がずっと山にこもりっぱなしとは思わなかったけどな」
レッド「人妻のエリカかぁ…」
グリーン「……」
レッド「なんだよその顔」
グリーン「別に」
レッド「元チャンピオンで現ジムリーダーなんだし、あれぐらいの豪邸なんだろうな」
グリーン「よくわかったな、あれだよ」
レッド「え…あ…うん、すごいね…」
グリーン「なんだよその反応」
レッド「思ったよりでかいなと思って…」
レッド「あんなの漫画でしかみたことないような家だから」
レッド「金あるんだな…」
レッド「俺なんかこれから住むとことか仕事も探さないといけねえのに」
グリーン「21まで山にこもるからってるからだ」
レッド「あ、俺21なの?」
グリーン「なんで自分の年もわかんねえんだよ」
グリーン「おう」
レッド「……」
レッド「メイドさんまでいるのかよ…それも一人や二人じゃねえし…」
グリーン「二人ともジムリーダーで家あけてることが多いけど子どもいるから」
グリーン「あと広いし、掃除とかも大変だからな」
グリーン「本当は俺たちでやりたいんだけど、ちょっと難しいんだよな…」
レッド「普通にジムリーダーの代理を用意するとかじゃダメなのか?」
グリーン「俺もそう思ってたけど、いろいろあるらしくて…」
レッド「ふーん…ジムリーダーも大変なんだな」
グリーン「そんな日にお前が来るとは」
レッド「休み潰したのは悪いと思ってるよ」
グリーン「ああ、俺と子どもたちの時間を潰した罪は重い」
レッド「お前子ども何人いたっけ?5人?」
グリーン「まだ二人だよ」
レッド「二人か、お前合わせると3人…」
レッド「……」
レッド「まあそんなことはどうでもいいや」
グリーン「なにがどうでもいいんだよ、めちゃくちゃじゃねえか」
グリーン「なんだよ」
レッド「山からおりたはいいが、これからどうすればいいんだ…」
グリーン「…知らん」
レッド「知らんはないだろ!親友のピンチだぞ」
グリーン「だから言ったじゃん、まず自分の家帰れって」
レッド「それは…だから…うん」
グリーン「…わかった、じゃあ俺ついて行ってやるから一回お前の家行こう」
レッド「余計恥ずかしいわ」
グリーン「じゃあどうすんの」
レッド「……」
グリーン「じいさんのとこ~?」
レッド「ギリ話せそうな気がする」
グリーン「でも残念なお知らせだ、じいさんは今老人ホームだ」
レッド「なんでそんな大事なこと教えてくれなかったんだよ」
グリーン「なんでって言われてもな…」
エリカ「ただいま帰りましたー」
グリーン「うわっもう帰ってきたのか!?」
グリーン「と、とりあえず隠れろレッド」
レッド「え、なんで?」
グリーン「いいからこっち来い」
ナツメ「おじゃましまーす」
エリカ「すみませんナツメさん、ジムもポケウッドも休みだというのにわざわざ来ていただいて」
ナツメ「もう、だからいいって言ってるでしょ、あなたに頼まれたらいつだって来るわよ」
ナツメ「で、相談ってなんなの?」
エリカ「はい、グリーンさんが私に何か隠し事してるようで…」
ナツメ「隠し事?」
エリカ「そうなんです、今日も会議の後誰かと電話していて、その時は友達と言ってたんですが…」
エリカ「それに今までは気にしないようにしていたのですが毎月私に何も言わず出ていく日があったんです」
ナツメ「私の超能力で見てほしいってわけ?」
エリカ「はい…」
ナツメ「でも…私が言うのもあれだけどあんまり疑ったりしない方がいいんじゃない?」
エリカ「それはそうですが…」
ガチャ
グリーン「エリカ、ずいぶん帰るの早いな、ナツメも来てるし」
エリカ「グ、グリーンさん!」
グリーン「!?…な、なんだ?」
エリカ「い、いえ、何も」
エリカ「ちょ…直接ですか!?それはさすがに…」
ナツメ「エリカは最悪の場合のこと考えてるでしょ?それはないから大丈夫よ」
ナツメ「グリーンの頭の中はエリカのことでいっぱいだもん」
グリーン「なんの話してんだ?」
ナツメ「それはエリカが言ってくれるわ」
エリカ「ナ、ナツメさん!私はまだ言うとは…」
ナツメ「私はちょっとお手洗いに」
エリカ「待ってくださいよ!私一人じゃ」
ナツメ「大丈夫大丈夫、そうよねグリーン?」
グリーン「?」
ナツメ「人の家で迷うなんて…」
ナツメ「こんなときに誰かに会えば教えてもらえるだろうけど会わないし…」
ナツメ「……」
ナツメ「一回戻ってちゃんと場所聞いた方がいいかな」
レッド「……」
レッド「……」
レッド「トイレ行きたくなってきた」
レッド「呼ぶまで出るなってグリーンに言われてたけどもらすよりはいいだろ」ガチャ
ドンッ
ナツメ「いたっ」
レッド「!」
レッド「ご、ごめんなさ…っ」
ナツメ「いえ…私がちゃんと前見てなかっただけで…」
ナツメ「あ…レ…レッド…?」
レッド「……」
バタンッ カチャッ
ナツメ「ちょっ、レッド!レッドよね!?」
レッド「……」
レッド(だめだ…グリーン以外と話そうとするとなんか詰まるな…)
レッド(俺のこと知ってるみたいだけど知り合いかな…)
レッド(一瞬しか見えなかったけど美人だったな…)
レッド(あんな人一回見たら忘れないと思うんだけどな)
グリーン「ま…まあ、結構急いだからな」
エリカ「たまにはゆっくり自分の時間を楽しんでもいいんですよ」
グリーン「いや、俺にとっては」
ナツメ「エリカ、グリーン!!」
エリカ「まあどうしたんですか、そんなに慌てて」
ナツメ「今…人が…人がいて…!」
グリーン「人なら何人もいるよ、お手伝いさんとかいるんだし」
ナツメ「そうじゃなくて、その…」
エリカ「一度落ち着いてください」
ナツメ「う、うん…」
エリカ「レッドとはあのレッドさんのことですか?」
ナツメ「そう!あのレッド!」
エリカ「レッドさんが…?」
エリカ「どういう思いますか?」
グリーン「俺ちょっと見て来る!」ダダッ
エリカ「グリーンさん!?」
ナツメ「あ、場所わかんないでしょ、私も行くわよ」
エリカ「では私も」
グリーン「い、いや、いいよ俺一人で…俺すごいからどこかわかるよ」
ナツメ「あなたはそんな超能力使えないでしょ、ほらこっちこっち」
エリカ「グリーンさんの部屋ですね」
エリカ「では開けてください」
グリーン「え…あ、開けなきゃだめ?」
エリカ「開けないと確かめられないじゃないですか」
ナツメ「もしかしてエリカに見せられないようなものでもあるの?」
グリーン「そういうわけではないけど…」
グリーン「じゃあ…開けるぞ」
ガチャ
エリカ「誰もいませんね」
グリーン(レッドのやつうまくどこかに隠れたか、それでいい)
グリーン「ああ、そうだな、ナツメの見間違いだろ」
ナツメ「……」
エリカ「ナツメさん?」
ナツメ「人の気配がする」
グリーン「えっ」
ナツメ「超能力ってのはこういう時に使うものよね」
ナツメ「……」
ナツメ「グリーン、そこのクローゼット開けて」
グリーン「いや、しかし…」
エリカ「開けてください」
グリーン「はい…」
レッド「よ…よお…」
グリーン「やあ…」
エリカ「最後に見たときからだいぶ成長なさってますけどたしかにレッドさんですね」
レッド「……」
グリーン「とりあえずそこから出ようか」
レッド「わかった…」
レッド「……」
レッド「……」
グリーン「これはその…深いわけがあってだな」
エリカ「?」
エリカ「どういうことですか?」
グリーン「どうするレッド…言っていいのか?」
レッド「……」こく
グリーン「実は…」
エリカ「グリーンさんはレッドさんがいる場所を知ってたのでしたら教えてくれてもよかったじゃないですか」
グリーン「レッドが自分のことは誰にも知られたくないから話さないようにって言ってたからな」
レッド「……」つんつん
グリーン「ん?」
レッド「俺そんなこと言ったっけ?」
グリーン「言ってたからわざわざ隠したんだよ」
レッド「そうか…いや、もう山おりたからいいよ」
グリーン「言われなくてもバレてるだろ」
エリカ「あ、それで月に一度何も言わず出かけてたんですか」
グリーン「エリカに心配かけたのはすまないと思ってる」
エリカ「いえいえ、理由がわかればもういいんですよ」
エリカ「それにしてもお久しぶりですねレッドさん」
エリカ「私のこと覚えてますか?タマムシジムリーダーのエリカです」
レッド「……」こく
エリカ「まあ、うれしいですわ」
ナツメ「ええ…」
エリカ「どうしたんですか?先ほどからあまりしゃべりませんけど」
ナツメ「そう?そ、そんなつもりはないんだけど」
レッド「……」つんつん
グリーン「なんだよ、そのつんつんやめろ」
レッド「あれナツメなのか?なんか全然違うような…」
グリーン「間違いなくお前の知ってるナツメだよ」
レッド「……」
レッド「……」つんつん
グリーン「だからやめろって」
レッド「グリーンが今月来なかったし、ちょうどいい機会だと思っておりてきたって伝えて」
グリーン「俺を通すなよ」
レッド「……」
グリーン「わかったよ」
グリーン「俺が今月食料持って行くの忘れててな、こいつもいつまでも山に籠ってるわけにはいかないと思ってたんだろうな」
グリーン「それがちょうどいいと思っておりてきたそうだ」
レッド「……」つんつん
グリーン「なんていうの?」
レッド「とりあえず住むところと仕事探す」
グリーン「住むところと仕事探すんだってさ」
グリーン「こいつ実家にも帰らない気みたいだからな」
エリカ「お母様には会われないのですか?」
グリーン「親とでもこうなるらしいから帰れねえんだと」
ナツメ「うん…」
ナツメ「でも、レッドが私のこと覚えてくれてるとは限らないし…」
エリカ「大丈夫ですよ、私のことも覚えてくださってたんですし」
エリカ「レッドさんはナツメさんのこと覚えてますよね?」
ナツメ「エリカッ!?」
レッド「……」こく
エリカ「ほら」
レッド「当然覚えてるって言って」
グリーン「お前らで直接話せよ」
レッド「…緊張する」
グリーン「……」
レッド「すごく大人っぽい美人になったって言って」
グリーン「そんなこと言ったらエリカの方が美人だ!」
レッド「そんなでかい声で言うなよ」
グリーン「ナツメには悪いけど世界で一番の美人はエリカだもん」
エリカ「まあ、そういうことを言うのなら世界で一番かっこいいのはグリーンさんですよ」
グリーン「じゃあさらに加えてエリカは世界一かわいい」
エリカ「それならこちらも加えてグリーンさんは世界一素敵な方です」
グリーン「エリカは~…」
エリカ「グリーンさんは~…」
レッド「……」
ナツメ「……」
ナツメ「ね、ねえレッド…」
レッド「……」びくっ
ナツメ「あ、ごっごめん」
レッド「…ナツメ」
ナツメ「ほんとに久しぶりね」
レッド「……」こく
ナツメ「……」
レッド「……」
ナツメ「さっき仕事探すって言ってたけど何かあてはあるの?」
レッド「……」ぶんぶん
ナツメ「今ちょうど募集してたの」
レッド「……」
ナツメ「あ…でもそれは嫌よね…チャンピオンだったのにただのジムトレーナーになるなんて…」
レッド「…やりたい」
ナツメ「え?い、いいの?」
レッド「……」こく
ナツメ「ありがとう」
レッド「?」
レッド「なんでナツメが礼を言うんだ…」
レッド「礼を言うのは俺なのに…」
レッド「……」こく
ナツメ「じゃあ今から一緒にジムに来てもらっていい?」
レッド「……」こく
ナツメ「エリカ、私そろそろ帰るね」
エリカ「もう帰るんですか?」
ナツメ「うん、今からやることができたし」
エリカ「そうですか、ではまた」
ナツメ「レッド手を出して」
レッド「?」スッ
ナツメ「テレポート」シュン
グリーン「あれ?レッド連れてかれちゃったよ」
運良く当たらなければワンチャン
自前だとエーフィだけしかエスパーいないから、多対1でなんとか行けるんじゃないかな
レッド「このジムもだいぶ変わったな…」ぼそっ
ナツメ「え?何か言った?」
レッド「……」ぶんぶん
ナツメ「まあいいや、早速だけど本題に入るわね」
ナツメ「一応このジムはエスパー専門だからレッドにもエスパーポケモンを使ってもらうから」
レッド「……」こく
レッド「……」こく
ナツメ「じゃあ見せてもらえる?」
レッド「……」
ナツメ「どうしたの?」
レッド「ボックス…」
ナツメ「あ、そっか…今のうちに見ておきたいから今から取りに行こうか」
レッド「……」こく
レッド「何匹いるの…」
ナツメ「そうね…3匹でいいかな」
レッド「2匹しかいない…」
ナツメ「じゃあ2匹でも」
レッド「引き出せた」
ナツメ「おっけ戻ろうか」
レッド「……」
ナツメ「どうしたの?」
レッド「回復…させてもいい?」
ナツメ「もちろん、そんなことならすぐ言ってくれればいいのに」
ジョーイ「はーい、あっナツメさん、回復ですか?」
ナツメ「はいお願いします」
ジョーイ「それではポケモンをお預かりします」
ナツメ「あ、私じゃなくてこっちの」
ナツメ「ほら、ポケモン回復させるんでしょ」
レッド「……」こく
ジョーイ「あら、ナツメさんの彼氏ですか?」
ナツメ「か…彼氏とかそんなんじゃなくて…!//」ぶんぶん
ナツメ「その…あれ…あれです!と、友達!」
ジョーイ「はーい、お預かりしますね」
ジョーイ「…!」
ジョーイ「このポケモンたちは…」
ナツメ「どうかしたんですか?」
ジョーイ「いろいろと疲労やダメージがかなりたまってますね」
ジョーイ「私はこんなレベルの高いポケモンは見たことないですが、ここまで育てるのにちゃんと休養をとったりしましたか?」
レッド「……」
ジョーイ「傷薬や木の実だけじゃだめですよ」
ジョーイ「ポケモンセンターはトレーナーの方なら無料で使えるんだから、ちゃんと利用してくださいね」
レッド「……」こく
ジョーイ「完全に回復するには丸一日ほどかかりますね」
ナツメ「それじゃあお願いします」
レッド「!」
ナツメ「ずっと戦ってばっかじゃだめだって、一日ぐらいゆっくり休めないと」
レッド「……」こく
ナツメ「明日また来ますね」
レッド「……」つんつん
ナツメ「どうしたの?」
レッド「トイレ行ってくる…」
ナツメ「わかった、ここで待ってるね」
ナツメ「だから彼氏とかじゃないですよ、友達です」
ジョーイ「あ、そうじゃなくてもしかしてですけど…あの人って元チャンピオンのレッドさんですか?」
ナツメ「そうですよ」
ジョーイ「やっぱりそうだったんですね、どこかで見たことあるような気がして、このポケモンたちでまさかと思って」
ジョーイ「突然消えたって噂ありましたけど」
ナツメ「まあ…いろいろあって」
ジョーイ「もしかしてナツメさんのところにいたとか」
ナツメ「そ、そんなわけないじゃないですか」
ナツメ「もしそうだとしたらポケモンセンターを使ってるはずですよ」
ジョーイ「へえー、そうだったんですか」
ジョーイ「でもよかったですね、帰ってきてくれて」
ナツメ「まあ…」
ジョーイ「ナツメさん前に好きな人は元チャンピオンのレッドさんって言ってましたもんね」
ナツメ「!!/////////」
ナツメ「そそそそそそそそそんなこと言いましたっけ…!?」
ジョーイ「言ってましたよ、ナツメさんちょっと酔ってましたけど」
ジョーイ「他にもいろいろ二人で食事に行った話とか…よく考えるとあの時8割以上レッドさんの話だったかも」
ナツメ「そ…そ…そ…それは…そのなんていうか…」もにょもにょ
ジョーイ「あ、戻ってきましたよ」
ナツメ「さ、さあ!ジムに戻りましょうか!」
レッド「?」
レッド「顔赤い…」
ナツメ「なんでもない!」
ナツメ「それじゃあ見せてもらえる?」
レッド「出てこい…」ポンッ
ヤドラン「ヤーン」
ユンゲラー「ゲラー」
ナツメ「…さすがレッドのポケモンね、かなり育ってる」
ナツメ「けどちょっと育ちすぎかな、これじゃバッジ7個のトレーナーでも勝てないかも」
ナツメ「ジムってのはトレーナーをボコボコにするところじゃないのトレーナーを育てるところだから、あんまり強すぎてもね…」
レッド「……」
ナツメ「それでたまに挑戦者と戦うってのがいいかな」
ナツメ「このヤドランと…ユンゲラー」
ナツメ「ユンゲラー…」
レッド「……」
ナツメ「……」
レッド「……」しゅん
ナツメ「ご、ごめ…そんなつもりじゃなくて…」
ナツメ「そうだ、今進化させよっか、私が交換相手になるから」
レッド「……」ぱあっ
レッド「……」なでなで
ナツメ「あ…」
ナツメ「進化したらますますジムで使えなくなっちゃった…」
レッド「…!」
ナツメ「元に戻すことはできないし…」
ナツメ「フーディンはトレーニング専門になっちゃうけどいい?」
レッド「……」こく
ナツメ「ごめんね」
レッド「謝らなくていい…」
レッド「……」こく
ナツメ「他のジムトレーナーには明日あなたのこと紹介するから」
ナツメ「今日やることはもうないかな…」
ナツメ「うん、終わりね」
レッド「……」
ナツメ「ねえレッド…ジムトレーナーに続けてこれもあなたがよかったらの話なんだけど…」
ナツメ「その…住むところ…家…なんだけど…わ、わ、私の家に来ない…?」もじもじ
ナツメ「……」ちらっ
レッド「…いいの?」
ナツメ「うん…」
レッド「……」
レッド「お願いします…」
レッド「……」キョロキョロ
ナツメ「エリカとグリーンの家行った後だからあっちと比べるとなんだか恥ずかしいな」
レッド「……」ぶんぶん
レッド「そんなことない…」
ナツメ「ありがと」
レッド「……」
ナツメ「お風呂入るでしょ?今沸かしてくるから」
レッド「……」
レッド「いい匂いがする」
レッド「山小屋とは大違いだ」
レッド「どこ見てもきれいだし」
レッド「あれ、この写真…俺とナツメの写真だ、ナツメもずっと持っててくれてたんだな」
ナツメ「あなたがポケモンリーグに挑戦する前に撮ったのよね」
レッド「!!」びくっ
ナツメ「ふふっ…お風呂後20分ぐらいしたら入れるから」
レッド「う、うん…」
レッド「まあ…」
ナツメ「エリカの家の時から思ってたけどレッドって全然話さなくなったよね
ナツメ「その写真のときも普通に話してたのに、どうしたの?」
レッド「……」
レッド「緊張する…」
ナツメ「え?」
レッド「山にこもってた数年間にグリーンとしか話してなかったからあいつ以外と話そうとするとどうも…」
レッド「でももう山じゃないし…そのうち普通に話せると思う…」
レッド「一人でいるのが飽きたからおりてきたのに話せないと意味がないからがんばる…」
レッド「ごちそうさま…」
レッド「おいしかった」
ナツメ「よかった」
レッド「……」
レッド「……」
ナツメ「レッド?」
レッド「……」ぐー
ナツメ「あれ、寝てる?」
ナツメ「レッド、レッド」ゆさゆさ
レッド「ん…あ?どしたの…」
ナツメ「寝る前には歯を磨かなきゃだめでしょ」
レッド「なんだか変な話だけど久しぶりに誰かの料理を食べたからか安心しちゃって、急に眠気が…」
ナツメ「ずっと山にいたらそうなるものなの?」
レッド「わからない…」
ナツメ「寝るにしてもちゃんとしたとこで寝ないと」
ナツメ「あとさっきも言ったけど歯磨きも」
レッド「……」こく
ナツメ「……」
ナツメ「全然寝れなかった…」
ナツメ「レッドがいるとこんなに緊張して寝れないと思わな…」
ナツメ「レッドがいない!」
ナツメ「そんなはず」コテッ ゴツン
ナツメ「いった~…」
トントントン
ナツメ「あれ…何か音がする…」
ナツメ「な、何やってんの…?」
レッド「朝食…ナツメが起きる前に作っとこと思って…」
レッド「泊めてもらったんだから何かしないと悪いから…」
ナツメ「そうだったの…起きたらいなかったからびっくりしたじゃない」
レッド「ごめん…」
ナツメ「いいのいいの、こんなことで謝らなくて」
レッド「いや、そうじゃなくて失敗した…」
ナツメ「……」
レッド「ほんとごめん…食材を…」
ナツメ「いいのいいの、でも今度からは丸焦げになる前に気づいてね」
レッド「火の調節って難しい…」
レッド「いつもリザードンにやってもらってたから…」
レッド「今度はリザードンで」
ナツメ「でもそれだと家でできないじゃない」
レッド「……」
レッド「……」しゅん
ナツメ「キャンプとかでやってもらおうかな!今度一緒に行きましょうよ!」
レッド「……」こく
レッド「……」
ナツメ「よし、ジムに行きましょうか」
レッド「……」こく
ナツメ「ポケモンセンターには帰りでいいよね」
レッド「うん…」
ジムトレ1「ナツメさんおはようございます」
ナツメ「おはよ」
ジムトレ2「おはよーございまーす」
ナツメ「うん、おはよ」
ジムトレ7「一緒にいる男の人って新しいジムトレーナーですか?」
ナツメ「そうよ」
ナツメ「みんな紹介するね、今日から新しく入ったレッドよ」
ナツメ「ほら挨拶して」
レッド「……」ぺこ
ナツメ「…ちょ、ちょっとシャイだけどいい人だから」
レッド「……」こく
ジムトレ1「ねえねえあのレッドって人どこかで見たことない?」
ジムトレ2「近所のお兄さんに似てる」
ジムトレ1「そういうことじゃなくて、もっとこう…どこだったかな…」
ジムトレ2「そんなことよくあるじゃないの」
ジムトレ2「それより気になったのがあの人今日入った新人なのになんで奥の方が持ち場なのさ」
ジムトレ2「新人は普通手前ですぐ挑戦者にやられちゃうものでしょ」
ジムトレ1「それだけナツメさんが期待してるとか…?」
レッド「……」
ナツメ「ん?どうかしたの?」
レッド「ジムリーダーと同じ部屋なの…?」
ナツメ「そうよ」
ナツメ「い、嫌…なの?」
レッド「……」ぶんぶん
レッド「そんなことない…」
ナツメ「……」すやすや
ナツメ「!」ぱちっ
ナツメ「ね、寝ちゃってた!ジム戦…」
レッド「まだ誰もナツメのとこまで来てないから心配しなくていいよ…」
ナツメ「えっ、ほんと?」
レッド「うん…」
ナツメ「私どれぐらい寝てた?」
レッド「3時間ぐらいかな…」
ナツメ「それまで本当に誰も来てないの?」
レッド「うん…ナツメ寝てたから戦わせないために全部倒した…」
ナツメ「ここに来たの全員倒しちゃったの?」
レッド「……」こく
ナツメ「でも一応確認するけど使ったポケモンは?」
レッド「ちゃんと相手のバッジの数に合わせて戦った」
ナツメ「相手に合わせたのに全勝?」
レッド「……」こく
ナツメ「すごい…自分のポケモンでもないのにそんな使いこなすなんて…」
レッド「10人ぐらい…」
ナツメ「まあ誰もジムリーダーのとこまで来れない日があってもいいかな」
レッド「いいの…?」
ナツメ「うん、ここじゃ私がルールだし、私がいいって言えばなんでもOKなの」
レッド「ジムリーダーってけっこう自由なんだね…」
ナツメ「でも大変なときはほんとに大変なのよ」
レッド「どんな時?」
ナツメ「……」
ナツメ「まあ…パッとは出てこないけど…」
ナツメ「ちょっとはあったかな」
ナツメ「でもこれからはあなたがそばにいてくれるから嫌になることなんて」
ジムトレ1「ナツメさーん」
ナツメ「!…な、何!?」
ジムトレ1「あれ、お取込み中でした?」
ナツメ「いや、ただ話してただけよ、それよりどうしたの?」
ジムトレ1「マネージャーさん来てますけど通していいですか?」
ナツメ「うん、お願い」
レッド「何かやってるの?」
ナツメ「一応…女優…」
レッド「女優!?」
ナツメ「!」びくっ
レッド「思ったより声出た…ごめん…」
ジムトレ1「ナツメさん、連れてきましたよー」
コトネ「ナッツメさ~ん」ぴょーんぴょーん
ナツメ「コトネは今日も元気ね」
コトネ「初めまして!ナツメさんのマネージャー兼彼女のコトネです」
レッド「彼女…?」
ナツメ「ち、違う!それはコトネが勝手に言ってるだけ!」
コトネ「何でですか、私ナツメさんのこと大好きですし、何度も食事したり遊びに行ったりしたじゃないですか」
ナツメ「そんなこと普通によくあるでしょ…そんなのだったら私もレッドと何度も行ったわよ」
レッド「……」こく
コトネ「……」
コトネ「レッド?それは誰なんですか?」
ナツメ「ここにいる新しく入ってくれたジムトレーナーよ」
ナツメ「っ…いいじゃない別に」
コトネ「レッドさんと言いましたよね、私のナツメさんに何もしてないですよね!」
ナツメ「別にあなたのじゃないけど…」
レッド「…?」
ナツメ「ほらレッド困ってるじゃない、もうやめときなさい」
コトネ「むー…エッチしてないでしょうね?」
ナツメ「!!!!!!!!!!???????????」
ナツメ「そんなこと…!/////」
レッド「……」
ナツメ「今日はレッド大活躍だったね、ほんとに一度も私が戦わなかったもん」
レッド「……」
コトネ「あれぐらい私でもできますよ」
ナツメ「そんなこと言わないの、レッドは本当にすごいもん」
コトネ「レッドさんってこういうと失礼ですけどただのジムトレーナーですよね」
コトネ「なんでそんな評価してるんですか?」
ナツメ「本人の目の前でそんな言い方ないでしょ」
コトネ「そうだ、今からごはん行きましょうよ、そこでゆっくり話しましょう」
ナツメ「あれだけ時間あったのにここで話せば…まあいいけど」
レッド「……」こく
ナツメ「うん、じゃあ行きましょ」
コトネ「えっレッドさんも来るんですか?」
ナツメ「言っとくけどレッドが行かないなら私も行かないから」
コトネ「やっぱり二人はどういう関係なんですか」
ナツメ「あなたが興味を持つような関係じゃないわよ」
コトネ「レッドさんはナツメさんのことどう思ってるんですか!」
レッド「……」こく
コトネ「うんじゃわかんないです…」
ナツメ「すいませーん」
ジョーイ「はーい、ナツメさんにレッドさんお待ちしてましたよ」
ナツメ「レッドのポケモンはどうですか?」
ジョーイ「バッチリですよ、みんな元気いっぱいです」
ナツメ「だって、よかったねレッド」
レッド「うん」
ジョーイ「はいどうぞ」
レッド「……」ぺこ
レッド「ちょっと外で様子見てくる…」
ナツメ「うん、わかった」
ナツメ「はい、それで今からごはんを食べに行こうと思ってるんです」
ジョーイ「まあ、ついにデートに誘うことに成功したんですね」
ナツメ「だ、だから私たちはそういう関係じゃないですって」
ジョーイ「ナツメさんがレッドさんのこと大好きだなんてことみんな知ってるんですから、思いきって告白しちゃえばいいじゃないですか」
コトネ「……」ぴくっ
コトネ「その話本当ですか!?」
ジョーイ「え、ええ…ナツメさん本人が言ってたんですから」
ナツメ「それはその…何回も言ってしつこいようだけど…」
コトネ「レッドさん!」
レッド「……!」びく
コトネ「ナツメさんはあなたのことが好きなようですね…」
レッド「?」
コトネ「……」
レッド「……」
コトネ「…フ」
レッド「……」
コトネ「フフフ」
レッド「……」
コトネ「ハーッハハハハハハハハハ!」
コトネ「何が可笑しい!!」
レッド「…?」
ナツメ「笑ってたのコトネだけじゃないの…」
レッド「……」
ナツメ「レッドは嫌ならこの時点で断っていいのよ」
コトネ「いいえ!この勝負からは逃がしません!」
コトネ「もちろん何にもなしというわけではありません」
コトネ「勝った方が今日一晩ナツメさんを好きにできる権利を得るというのはどうです?」
ナツメ「いや、そういうの私の許可なしでやらないで」
レッド「……」こく
ナツメ「レッドも了承しないの!」
ジョーイ「わあ、いよいよですね」
ナツメ「仕事中じゃないんですか?」
ジョーイ「ラッキーたちがなんとかしますよ、それよりこの勝負が見たいですから」
ジョーイ「どっちに勝ってほしいんですか?」
ナツメ「…どっちもがんばってくれればいいです」
リザードン「グオオオオオオ!」
コトネ「リザードンですか…ならこっちはマリルリ!」
マリルリ「ルリィ!」
レッド「……」ビッ
リザードン「ドラゴンクロー!!」
スカッ
リザードン「!?」
レッド「???????」
マリルリ「テツノイシモハガネノツヨサモカンジラレナイ」
ナツメ「ドラゴンタイプの技は効果ないわよ!」
レッド「ふぇありー…?????」
コトネ「タイプ相性どころかタイプすらご存じないようですね!」
コトネ「でも容赦しません!一気に行きます!」
コトネ「マリルリ、はらだいこ!」
コトネ「オボンむしゃむしゃ」
コトネ「そしてアクアジェット!!」
マリルリ「ルリィィィィィィィィィィィ!!!」
コトネ「強靭!無敵!最強!」
ドーン
コトネ「粉砕!玉砕!大喝采!」
コトネ「ワハハハハハハハ!」
コトネ「……」
コトネ「…何…」
コトネ「…だと…」
レッド「……」ビッ
リザードン「フレアドライブ」
マリルリ「イワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーク!!」バタッ
コトネ「そ、そんな…」
レッド「……」
コトネ「……」
コトネ「レベルが違いすぎる…!」
コトネ「時間の無駄です、これはもう私の負けです…」
レッド「……」
ジョーイ「よかったですね、レッドさん勝ちましたよ」
ナツメ「そうみたいですね」
コトネ「レッドさん…お願いがあるんですけど」
レッド「?」
コトネ「惚れました!結婚してください!」
ナツメ「!!!???」
コトネ「ナツメさんは別にレッドさんと付き合ってるわけじゃないんでしょ」
ナツメ「それはそうだけど…」
コトネ「だったらナツメさんとレッドさんの関係は友達、もしくはジムリーダーとジムトレーナーという程度じゃないですか」
ナツメ「……」
コトネ「レッドさんは今彼女はいらっしゃるんですか?」
レッド「……」ぶんぶん
コトネ「一目惚れ…とはちょっと違うかもしれませんが、私レッドさんのことが好きになっちゃったんです!」
レッド「……」
レッド「……」ぶんぶん
レッド「ごめん…」
コトネ「わ、私の何がダメなんですか!?」
レッド「ダメなとこはない…」
コトネ「じゃあどうしてです」
レッド「……」
レッド「俺がしゃべれない…」
対してレッドは88だしな…
コトネ(しゃべれないって…確かに食事中も全然話してなかったけど…)
ナツメ「コトネ?」
コトネ「は、はい!どうしました?」
ナツメ「元気ないけど…あんまりおいしくなかったの?」
コトネ「いえいえ!そんなことありませんよ!」
ナツメ「それならいいけど…」
ナツメ「一人で帰れる?」
コトネ「もちろんですよ!」
コトネ「はーい、おやすみなさーい」
レッド「……」
ナツメ「あ、コトネ待って」
コトネ「はいはい、ナツメさんの頼みならいつまでも待ちます!」
ナツメ「レッドが何か言いたいみたい」
ナツメ「言える?私が言おうか?」
レッド「自分で言う…」
コトネ「な、なんでしょうか…」どきどき
コトネ「え?」
レッド「マリルリって今までドラゴンクロー当たってたよね…」
コトネ「えっと…そうでしたっけ?」
コトネ「ここ最近ずっと効果なしってなってたからずっとそんなものだと…」
ナツメ「当たってた」
レッド「やっぱり…」
ナツメ「でもレッド、昔はコイルが毒針受けてたじゃない」
レッド「そうだっけ…?」
ナツメ「そうだった、ポケモンは私たちにはどうすることもできない力で変化してるのよ」
レッド「……」
コトネ「今日も来ましたよー!」
ナツメ「どうせ来ると思った…」
コトネ「ナツメさん冷たいですよー」
コトネ「レッドさんもそう思いますよね?」
レッド「マリルリ…」
コトネ「まだ言ってるんですか!?」
ナツメ「さっきまでは言ってなかったんだけど、コトネ見て思い出したんでしょうね」
コトネ「あっと…また忘れるとこでした」
ナツメ「レッドがなんなの?」
コトネ「いえ、今はそのことは置いといてください」
コトネ「これほんとは昨日言うつもりだったんですけど、決まりましたよ」
ナツメ「何が?」
コトネ「魔法の国と不思議な扉11ですよ」
ナツメ「…あれまだやるの?10のときにあんな終わり方だったからまさかとは思ったけど」
ナツメ「続きすぎでしょ…ドラ〇エじゃないんだから…」
ナツメ「出る…」
コトネ「そういうと思って勝手にOK出しときました」
ナツメ「私が本当に無理ならどうするつもりだったのよ…」
ナツメ「で、いつからなの?」
コトネ「明後日です、監督さんがすぐ撮りたいって言ってたみたいですから」
ナツメ「はやっ」
コトネ「あ、これほんとは昨日言うつもりだったんで明日ですね」
ナツメ「……」
ナツメ「むちゃくちゃね…」
ナツメ「そうね…ポケウッドに…何日ぐらいかかるのかな、あの監督適当だし」
レッド「ポケウッドってどこなの」
ナツメ「イッシュ地方よ」
ナツメ「レッドは行ったこと…ないよね?」
レッド「うん…」
コトネ「そうだ、レッドさんも行きましょうよ」
レッド「……」こく
ナツメ「…なんでコトネが言うのよ」
コトネ「いいじゃないですか、レッドさんに伝わればいいんですから」
ナツメ「あー明日イッシュ行かないといけないのよね…」
コトネ「そうですよ」
ナツメ「明日朝一の船でイッシュに行くしかないわね」
ナツメ「コトネ、明日早いからうちに泊まる?」
コトネ「いいんですか?やったー」
コトネ「じゃあレッドさんもナツメさんの家に泊まりますよね」
レッド「俺は元々ナツメのところに居候させてもらってる…」
コトネ「えっ?ナツ…え?それって…え?」
ナツメ「えが多い」
ナツメ「当たり前じゃない」
コトネ「レッドさんはどこに住んでるんでしたっけ」
レッド「ナツメの家…」
コトネ「ということは二人とも同じナツメさんの家ということですよね」
ナツメ「そうよ」
コトネ「えっとつまり…」
コトネ「同棲!?」
ナツメ「同棲だなんて、そんな大げさな」
ナツメ「じゃあおやすみ、なるべくすぐ寝なさいよ」
コトネ「はーい」
コトネ「あれ?」
ナツメ「どうしたの?何か問題あった?」
コトネ「ナツメさん一緒に寝てくれないんですか?」
ナツメ「私は自分の寝室で寝るわよ」
コトネ「そうですかー…」
ナツメ「そんなこと言ってないで早く寝なさいって」
コトネ「はーい、おやすみなさーい」
コトネ「……」むくっ
コトネ「時は満ちた…!」
コトネ「睡眠なんてイッシュまでの船の移動時間にとればいいだけ」
コトネ「それより今は同じ屋根の下にレッドさんとナツメさんが寝ているこのチャンスを逃すわけにはいかない!」
コトネ「ふっふっふ…寝ている二人にあんなことやこんなこと…」
コトネ「興奮してきた」
コトネ「まずはレッドさんだ」
コトネ「どこで寝てるか聞いとけばよかったな…」
コトネ「仕方ない、ナツメさんの方を先にするか」
コトネ「……」カササササササ
コトネ「ふっふっふ」ガチャ
ゴチンッ
コトネ「ぎゃっ」
コトネ「な、なんだなんだ?」
コトネ「っ!これは見えない壁がある、まさかナツメさんが」
コトネ「前にナツメさんに夜這いをかけたせいか対策されてるのかな」
コトネ「壁ぐらい計算済みですとも!」
コトネ「マリルリ、かわらわり!」
ガシャーン
コトネ「ちょっと音大きいよ」
コトネ「起きてなけりゃまあいいや、さーて今週のナツメさんの寝顔は」
コトネ「?」
コトネ「ベッドと布団が一つずつ…」
レッド「ん…誰…?」
コトネ「!!」
コトネ「ど、どうしてレッドさんがこの部屋で寝てるんですか!?」
レッド「ここが寝室だから…」
コトネ「ナ、ナツメさんと一緒に寝てるんですか」
レッド「?」
レッド「別々だよ…」
コトネ「お、同じ部屋ですよ!」
レッド「そーだね…」
コトネ「そうだねって…!」
コトネ「あ、すいません…」
レッド「明日早いみたいだし、早く寝た方がいいよ…」
レッド「それとも何かナツメに用があったの…?」
レッド「俺ができることならなんとかするけど…」
コトネ「えっと…ひ、一人じゃ寂しーな…なんて」
レッド「……」
レッド「俺のところでいいなら、ここ来なよ」
コトネ「!!」
ピピピッピピピッ ポチッ
ナツメ「んんーっ、よく寝た」
ナツメ「レッドとコトネが起きる前に朝食の用意しとかないと」
レッド「……」ぐー
ナツメ「普段はかっこいいけど、こういうときの顔は可愛いわね」
ナツメ「あれ?背中がやけに膨らんでる、なんだろ?」ぺらっ
コトネ「……」すーすー
コトネ「むにゃむにゃ…れっどしゃん…」
ナツメ「……」
コトネ「にゃぎゃっ!」
ナツメ「おはよう、コトネ」
コトネ「お、おひゃようございまひゅ」
ナツメ「どうしてあなたがレッドのお布団で寝てるのかしら?」
コトネ「と、とりあえず離してくだひゃい」
ナツメ「……」ぱっ
コトネ「いたたたた」
ナツメ「……」
ナツメ「ほんとに?」
コトネ「ほんとですよ」
ナツメ「レッドに何もしてないでしょうね?」
コトネ「…ナツメさん、もういいんじゃないですか?」
ナツメ「何が?」
コトネ「ナツメさんがレッドさんのこと大好きだってのはよくわかります」
コトネ「同棲して同じ部屋で寝て一日中一緒に過ごしてるのに付き合ってないなんて逆におかしいです」
コトネ「もう思い切って大好きって言っちゃえばいいじゃないですか、二人とも大人なんですし」
コトネ「そうじゃないと私が今怒られてる理由がないですからね」
ナツメ「……」
コトネ「わかってるんだったら早い方がいいじゃないですか」
コトネ「こんなの知り合って何年もたってるナツメさんの方がわかってると思いますけど、レッドさんからはどれだけ待っても言ってくれませんよきっと」
ナツメ「……」
コトネ「言わないんだったら私が言いますよ」
ナツメ「あなた断られたじゃない」
コトネ「一度や二度断られたぐらいでへこむコトネちゃんじゃありません!」
ナツメ「……」
ナツメ「わ…わかった…きょ、今日言うから…」
レッド「今日のナツメどうしたの…?」
コトネ「どうしたって何がです?」
レッド「なんかそわそわしてる…」
コトネ「あ、ああ、それは撮影があるからじゃないですかね」
レッド「映画の前はいつもああなの…?」
コトネ「そ、そう…ですね」
レッド「……」
ナツメ「どれぐらいかかったかな…」
ナツメ「飛行機でも10時間ぐらいだったかな?」
レッド「ちょっと遠いな…」
ナツメ「大丈夫、フーディンのテレポートで一瞬よ」
レッド「いや、そうじゃなくて…」
ナツメ「?」
ナツメ「そう、じゃあ行きましょうか」
ナツメ「フーディン、出て来て」
フーディン「ハイヨー」
ナツメ「レッド、コトネ、フーディンに手をあてて」
レッド「……」スッ
ナツメ「フーディン、お願いね」
フーディン「リョーカイ」
ナツメ「到着」
フーディン「ゼエゼエ…」
ナツメ「お疲れ様フーディン、戻って」
ナツメ「コトネ、ポケモンセンターに連れて行ってあげて」
コトネ「はーい」
レッド「テレポートしただけじゃないの…?」
ナツメ「さすがにこれだけの距離のテレポートは体力をかなり使うのよ」
ナツメ「早く休ませてあげたいけど撮影あるからコトネに行ってもらってるの」
ナツメ「いえ、テレポートで一瞬ですから…」
監督「そうだったな、ナハハハハハ」
監督「あれ、ナツメちゃんマネージャー変わった?」
監督「前は可愛らしい女の子だったじゃないか」
ナツメ「彼はマネージャーじゃないです…」
監督「ふーん、そうなんだ」
監督「まあいいや、それよりナツメちゃん、せっかく来てもらって悪いけど撮影ちょっと遅らせるね」
ナツメ「何かあったんですか?」
監督「実はキョウヘイ君が数時間遅れるそうなんだ」
ナツメ「そうですか、じゃあ来たらまた連絡ください」
レッド「うん…」
ナツメ「うーん、どこがいいかなー」
レッド「ナツメ…」
ナツメ「どこか行きたいところあった?」
レッド「俺ナツメの出た映画見たい」
ナツメ「わ、私の映画を…?」
レッド「どこか見れるところはないの?」
ナツメ「映画自体ならあそこが映画館になってるからそこで見れるけど…私の出たのは今はやってないわよ」
レッド「映画館行きたい」
レッド「いい…?」
ナツメ「もちろんいいわよ」
レッド「……」にこ
ナツメ「レッドってそんなに映画好きだった?」
レッド「うん…」
レッド「あれ…」
ナツメ(れ、恋愛映画…!レッドってこういうの見るんだ…覚えとこ)
レッド「嫌…?」
ナツメ「そ、そんなことないよ、時間もちょうどいいし見ようか」
レッド「うん…」
ナツメ「ジュースとか食べる物いる?」
レッド「うん」
レッド「……」
ナツメ「……」
ナツメ(よく考えたらレッドと二人で来てるのよね…)
ナツメ(これってまるでデ…デ…)
ナツメ「……」
ナツメ(あ…キスした…ほんとにそういうものならこういうときに手を)プルプル
ナツメ「!」
ナツメ(て…手汗が!)
天使ナツメ『焦ってはいけません、まず一度落ち着くのです、深呼吸ですよ』
悪魔ナツメ『うるせえ!お前のそういうとこのせいでチャンス逃してレッドは山に行っちゃったんだろうが!』
天使ナツメ『ひいっ…』
悪魔ナツメ『手を握るなんて今しかねえんだ、やれっ!』
天使ナツメ『そ、そうですね…一度…とりあえず握ってみましょう』
ナツメ(天使が悪魔に折れちゃった…)
ナツメ「ひゃっ!//」
レッド「ナツメ…?」
レッド「大丈夫?さっきから手が震えてたよ」
レッド「汗もこんなに…」
レッド「気分悪いの?」
ナツメ「だ…だ…大丈夫…」
レッド「顔も赤いよ、一回外に出よう」
ナツメ「でも…」
レッド「でもじゃない、ナツメにもしものことがあったら…」
悪魔ナツメ『こりゃレッドの口をふさぐしかねえ』
悪魔ナツメ『自分自身の口でよお』
天使ナツメ『口を口でふさぐなんてまるでキスではないですか!』
天使ナツメ『そんなこと今は』
悪魔ナツメ『あぁん!?』
悪魔ナツメ『手はレッドに先やられたんだから口ぐらいこっちから行け!』
天使ナツメ『ナツメ…レッドにキスをするのです』
悪魔ナツメ『ケケケ』
ナツメ(天使弱っ!)
悪魔・天使『それキース!キース!キース!』
ナツメ(頭の中で天使と悪魔が結託して暴走しだした…!)
悪魔・天使『うぎゃ~!』
ナツメ(とりあえず頭の中からは変なのがいなくなった…)
レッド「ナツメ…?」
ナツメ「ごめんね…私のせいで途中で出ちゃって…」
レッド「いいっていいって」
レッド「もう気分はだいぶよくなった?」
ナツメ「うん…」
レッド「よかった」
レッド「デ…映画はまた今度二人で見に行けばいいだけだからね」
ナツメ「うん…」
プルルルル
ナツメ「あ、電話切るの忘れてた…」
ナツメ「ごめん、レッド、電話出るね」
ナツメ「もしもし」
コトネ「もしもし、あと30分ぐらいでキョウヘイ君着くらしいですけど、今どこですか?」
ナツメ「今映画館のとこ、後30分ぐらいね、わかった」
時戒から更新が遅くなります
申し訳ないです
キョウヘイ「いやーごめんなさいねー」
キョウヘイ「バトルサブウェイ制覇してたんですよ」
キョウヘイ「もし負けたらやめようと思ったんですけど」
キョウヘイ「僕が強すぎて全勝しちゃって遅くなりました」
キョウヘイ「強すぎるのも考えものですねー」
ナツメ「そ、そう…」
キョウヘイ「やあコトネさん、今日もかわいいー」
コトネ「黙れ、ぶち〇〇ぞ」にこっ
コトネ「でもー…」
ナツメ「ごめんねキョウヘイ君」
キョウヘイ「いえいえ、もう慣れました」
ナツメ「これに慣れるのってあまりよくないと思うけど…」
ナツメ「コトネも相手が慣れるまで言わないの」
コトネ「だってこいつ」
ナツメ「こいつじゃないでしょ」
コトネ「……」
ナツメ「ほらよしよし」なでなで
コトネ「……」
コトネ「へへっ」
コトネ「レッドさんもなでなでしてください」
レッド「……」なでなで
コトネ「うへへ」
キョウヘイ(…誰?)
コトネ「~♪」スリスリ
レッド「……」
ナツメ「……」タッタッタ
ナツメ「離れなさい」ぐいっ
コトネ「ふぇぇ…」
ナツメ「ねえレッド、どうだった?」
レッド「うん、よかったと思う」
コトネ「ナツメさんばかりずるいですよ!」
ナツメ「撮影中ずっとコトネがレッドにくっついてたの見てたんだけど」
コトネ「それはあれですよ…レッドさんが寒そうだなと思って」
ナツメ「それなら心配ないわ、レッドは寒いの慣れてるから」
レッド「ナツメ、あんまりコトネちゃんいじめちゃだめだよ…」
ナツメ「いじめてるわけじゃないけど…」
キョウヘイ「監督さん」
監督「ああキョウヘイ君、お疲れ様、どうしたんだい?」
キョウヘイ「最初から気になってたんですけどあの人誰ですか?」
監督「ああ、あのナツメちゃんといる人だろ」
監督「僕もよく知らないんだよね」
監督「でもナツメちゃんの顔見る限り、もしかして彼氏かな」
監督「演技以外であんな笑顔見たことないし」
キョウヘイ「ナツメさんの…」
キョウヘイ「ちょっと気になるな」
コトネ「またですか?レッドさんよくトイレ行きますね」
レッド「……」
ナツメ「じゃあ私その間に着替えてくるから」
ナツメ「コトネは一応ついて行ってあげて」
ナツメ「知らない人と会っちゃうとレッド固まっちゃうことあるから」
コトネ「まさかさっき行ったとき帰ってくるのが遅かったのって…」
コトネ「そんなことなら言ってくれれば私どこまでもついていきますよ」
レッド「……」
レッド「……」スッ
レッド「……」じょろろろろ
レッド「……」ちょろちょろ
レッド「……」
キョウヘイ「あの、すいません」
レッド「!」びくっ
レッド「……」ちら
キョウヘイ「さっきナツメさんといた人ですよね」
レッド「……」
キョウヘイ「あの…できたら返事ぐらい…」
レッド「……」こく
キョウヘイ「ふーむ…」じー
レッド「……」
キョウヘイ「気になるんで聞きますけど、ナツメさんとどういう関係ですか?」
レッド「……」
キョウヘイ「……」
レッド「……」
キョウヘイ「……」
レッド「?」
コトネ「あ、何やってるんですか?終わってるのなら早く出て来てくださいよ」
キョウヘイ「コ、コトネさんここ男子トイレ!」
コトネ「それが何よ、あんただって男だか女だかはっきりしないくせに」
キョウヘイ「今の僕はどう見ても男でしょ!」
キョウヘイ「それよりコトネさん、いくら胸がないからって」
ドゴッ どさっ
コトネ「さあ、行きましょうレッドさん」
キョウヘイ「あれ…?」
レッド「気分はどうだ…?」
キョウヘイ「うわっ!」
レッド「!」びくっ
キョウヘイ「あ、あんたは!」
コトネ「あんたじゃないでしょ、ちゃんとレッドさんって言いなさい」
キョウヘイ「コトネさん…」
キョウヘイ「あっ!思い出した!僕コトネさんにやられて…」
コトネ「でもあれは仕方なく…」
ナツメ「理由は何かしらないし仕方がなかったとしても謝っときなさい」
ナツメ「気絶させるなんてそうとうなことしたんでしょ」
コトネ「いや…その…腹パン…」
ナツメ「……」
ナツメ「この子はほんとに…」
キョウヘイ「……」
レッド「?」
キョウヘイ「……」じー
レッド「なに…?」
キョウヘイ「あなたってトレーナーですか?」
レッド「……」こく
キョウヘイ「僕もトレーナーだからわかります、あなた相当強いでしょ」
レッド「……」
キョウヘイ「ちょっと相手してもらっていいですか?」
キョウヘイ「……」
レッド「……」
キョウヘイ「だからできたら返事ぐらい…」
ナツメ「レッド、帰るわよ」
ナツメ「そろそろ帰らないと見たいテレビ始まっちゃうよ」
レッド「わかった…」
キョウヘイ「あの…」
レッド「今は無理みたい…帰らなきゃ…」
レッド「ナツメのジムでジムトレーナーやってる…」
レッド「そこでならいつでも相手になれる…」
レッド「ナツメ…」
ナツメ「なあに?」
レッド「最近強いトレーナーが来ない」
ナツメ「…まあレッドはジムトレーナーにしちゃ強すぎるからね」
ナツメ「ハンデつけてみたらどうかな?」
ナツメ「例えばバッジ3つのトレーナーにバッジ2つ用のポケモン使ったり」
レッド「それはもうやった」
レッド「あんまりにも低いレベルで倒しちゃうのはかわいそうだから2,3個下までしか使ってないけど」
ナツメ「0個か…初心者かな」
ナツメ「レッドは今回パスでいい?」
ナツメ「ボコボコにしちゃうのはちょっと…」
レッド「わかった…」
ナツメ「あ、きた」
ナツメ「ようこそヤマブキジムへ、私がジムリーダーのナツメです」
ナツメ「あなたの名前は?」
メイ「メイです」
ナツメ「それじゃあ…」
ナツメ「……」
メイ「?」
ナツメ「キョウヘイ君…?」
メイ「……」
メイ「へへっバレちゃいました?」
ナツメ「どこかで見たことがあると思ったから」
ナツメ「魔法の国と不思議な扉の7と8だっけ?主人公が性転換してたの」
メイ「そうですね」
レッド「?」
ナツメ「その時のによく似てたから」
メイ「ああ、なるほど」
ナツメ「で、何か用があるから来たのよね?」
ナツメ「まさか本当にジムに挑戦に来たわけじゃないでしょ」
ナツメ「レッドと?」
メイ「いつでも相手になってくれるって言ってたんで」
レッド「たしかに言ったけど…」
レッド「今は一応仕事中…」
ナツメ「全然いいわよ」
レッド「じゃあOK…」
ナツメ「おもしろそうだし私が審判するわ」
ナツメ「がんばってレッド」
メイ「審判は中立な立場でお願いします」
メイ「なんど味わっても気持ちが高ぶる」
メイ「今まで戦ってきたトレーナー中でもレッドさん…あなたはとてもいいです…」
ナツメ「…そろそろ始めてもらっていいかな?」
メイ「はい、よろしくお願いします」
レッド「……」こく
メイ「ふふ…」
レッド「……」
メイ(そんな目で見つめないでくださいよ)
メイ(興奮しちゃうじゃないですか…)ズギュウウン
コトネ「あなたたちのコトネちゃんが来ましたよー」
コトネ「あれ?」
レッド「……」
ピカチュウ「ボルテッカー!」
ドギャン
チラチーノ「グヘエ」
メイ「お疲れ様チラチーノ」
メイ「……」
メイ「ふふふ」
メイ(ああ…いいよ…)
メイ(いいよレッドさん…)
メイ(こんなに楽しく、気持ちがいいのは本当に久しぶりだ)
メイ(今すぐにでも絶頂に達しそう…)ビンビン
ナツメ「あら、いつの間に来てたの?」
コトネ「さっきですよ」
ナツメ「気づかなかった」
コトネ「ガーン…」
ナツメ「冗談よ」
ナツメ「今これの審判してるの、ちょっと待っててね」
コトネ「レッドさんと…可愛らしい女の子の挑戦者か」
コトネ「あれってレッドさんのポケモンじゃないんですか?」
ナツメ「そうよ」
コトネ「ここエスパー専門なのに」
ナツメ「ジムへの挑戦者じゃなくてレッドへの挑戦者だからいいの」
コトネ「レッドさんと戦いたいって人がいないわけじゃないでしょうけどこんなとこでやらせていいんですか?」
ナツメ「今暇だから別に構わないわ」
ナツメ「もし本当の挑戦者が来たら止めるつもりだったけど、もうその必要もなさそうだし」
ナツメ「レッドはまだ一匹目だけどキョウヘイ君は次が最後の一匹だからね」
コトネ「へー…」
コトネ「えっ!?キョウヘイ?…え?」
コトネ「メイちゃん?キョウヘイじゃないんですか?」
ナツメ「だからあれキョウヘイ君よ」
コトネ「???」
コトネ「あの女の子が…キョウヘイってことですか…?」
ナツメ「だからそうだって」
コトネ「……」
コトネ「巨乳…」
ダイケンキ「ギャース」
レッド「……」
メイ「あはは…負けちゃった…」
メイ「あー…楽しかったのに…もう終わりか…」
メイ「こんなに強いトレーナーとポケモンがいるなんて私全然知らなかったなぁ」
レッド「俺も楽しかった…」
レッド「またいつでも相手になってあげる…」
メイ「ほんとですか!うれしいなぁ…ふふ」
レッド(ずっと思ってたけどこの子男の子なんだよな…)
コトネ「……」
コトネ「キョウヘイ…?」
メイ「今はメイちゃんですよー」
コトネ「……」ガシッ
コトネ「なんじゃああああこの乳はぁぁぁ!!」
メイ「そ、そんな怒ることですか?」
ナツメ「コトネうるさい」
メイ「僕まだこの街に来たばかりでポケモンセンターの場所もわからないんです」
メイ「連れてってくださいよ」
コトネ「いや」
メイ「そう言わずに」
ナツメ「連れてってあげたら?」
ナツメ「今日も遊びに来ただけなんでしょ」
コトネ「うう…そうですけど…」
コトネ「ほら行くよキョウヘイ」
メイ「ああ、ちょっと待ってください」
クルッ
キョウヘイ「どうせならデートらしく男女で」
コトネ「誰があんたとデートなんかするか」
キョウヘイ「僕もっともっと強くなっておきますから」
レッド「……」こく
キョウヘイ「ナツメさんも次共演することあったらよろしくお願いします」
ナツメ「うん、またね」
コトネ「もういい?行くよ」
キョウヘイ「今日はえらく積極的」
コトネ「行くなら行くで早く行って戻ってきたいだけ」
ジムトレーナーはたぶん♀…
そこはあんまりよく考えてなかったです
グリーン「タマムシジムはジムリーダーがかわいい、以上」
エリカ「まあグリーンさんたら」
グリーン「次はセキチクジム」
グリーン「えーと…壁に頭をぶつけたって苦情が6件きてるな」
アンズ「それはジムの仕掛けですからその人たちがドジとしか言いようがないです」
グリーン「あと毒にするのやめろ」
アンズ「毒タイプのジムに来といてそれはないでしょ」
グリーン「そうだな…これは無視と」
グリーン「じゃあセキチクジムは特になし」
ナツメ「問題?」
グリーン「先月バッジ渡した?」
ナツメ「…渡したような渡してないような」
グリーン「そもそもジム戦をしてないんじゃないのか」
ナツメ「そういえばしてないかも…」
グリーン「やっぱりな」
グリーン「ジムリーダーの前のトレーナーが強すぎるってのが100件以上きてる」
グリーン「そいつらの修行不足っていえばそれまでだが、多すぎる」
グリーン「あとそのトレーナーについてだが何もしゃべらず常無言で怖いってのが同じぐらいきてる」
ナツメ「そうかしら、私はいい人だと思うけど…」
グリーン「それにそのトレーナーが勝つとジムリーダーが喜びすぎ」
ナツメ「新人だから私もうれしいくて喜んでるのかな…」
グリーン「それもジムリーダーじゃなくてジムトレーナーでみんな止まるって…」
グリーン「何よりそいつ常無言ってジムトレーナーとしてどうなんだよ」
グリーン「ジムなんだから挑戦しに来たトレーナーを育てなきゃなんねえのに」
グリーン「話さねえと相手に何も伝わらねえよ」
ナツメ「けっこう人見知りみたいだしそれはちょっとどうしようもないかな…」
グリーン「いやでもなあ…ん?」
グリーン「無口で強くて人見知り…」
グリーン「そういえばナツメってさ…レッドどうしたの?」
グリーン「前家に来たときレッド連れて行ってたじゃん」
ナツメ「そ、そうだったけ…?」
グリーン「そうだよなエリカ」
エリカ「そうでしたよ」
ナツメ「ああー…そういえばそうだったかも」
ナツメ「でもその後別れちゃったから今どうしてるかはわかんないなぁ」
グリーン「ふーん…」
グリーン「なんだ?」
カスミ「レッドってもしかしてレッドのこと?」
グリーン「そうだぞ、このレッドはお前の知ってるレッド以外の何者でもないレッドだぞ」
ナツメ「レッドレッドうるさい」
カスミ「行方不明って聞いてたけど戻ってきてたのね」
カスミ「戻ってきたのなら一番に私のところ来てくれてもよかったのに」
カスミ「ほっといたらまたフラフラとどっか行っちゃいそうだし私が養ってあげるのに」
ナツメ「心配しなくても私がどこにも行かせないから」
カスミ「どこで何してるかも知らないんでしょ」
ナツメ「レッドならうちのジムで真面目に働いてくれてるし今だって家に帰れば」
ナツメ「あ…」
ナツメ「……」
ナツメ「つ、次はグレンジムよね」
ナツメ「うちのジムのことは大丈夫だから進めていいわよ」
カスミ「いやいやいや!レッドがヤマブキジムで働いてるってどういうこと!しかも家に帰ればって何よ!」
ナツメ「なんのこと?」
カスミ「とぼけんな!」
グリーン「あいつがジムトレーナーやってたらほとんどの挑戦者は突破できねえだろうな」
ナツメ「でも使うポケモンは基本レッドのじゃないし、ハンデだってつけてるのよ」
グリーン「それでも誰も突破できないんだろ」
グリーン「あいつは俺ほどじゃないが天才だ」
グリーン「どんなポケモンを使おうがバッジ集めの途中のトレーナーじゃほぼ勝ち目はない」
グリーン「しかもハンデをつけたところで絶対手加減しないだろ」
ナツメ「それはそうだけど…」
カスミ「じゃあナツメのジムじゃなくて明日からうちのジムで」
グリーン「いやレッドがジムトレーナーとして働くことを禁止とする」
仕方ないね
ジムトレーナーが駄目ならジムリーダーになればいいんだよ!
ナツメ「レッドだって一生懸命やってるのよ」
グリーン「それはわかるけどさ…」
ナツメ「レッドの友達でしょ、せっかくレッドが働いてるのにとりあげるなんて」
グリーン「それでも俺たちはジムリーダーなんだからレッド一人のことよりこれからのトレーナーたちのことを考えなきゃいけない」
ナツメ「……」
ナツメ「じゃ…じゃあレッドが実際に戦ってるところ見たら気が変わるかも」
グリーン「今見れるの?」
ナツメ「うん」
レッド『……』ブイッ
グリーン「なにジムリーダーがジムトレーナー応援してんだ」
ナツメ「うるさい、黙って見てなさい」
グリーン「うるさいって言われた…」
エリカ「よしよし、いい子ですから静かに見ましょうね」
レッド『……』
ケーシィ『……』
挑戦者『いっけーっ!ゴース!』
挑戦者『ナイトヘッド!』
レッド『……』
ケーシィ『テレポート…』シュン
シュシュシュン
挑戦者『め、めちゃくちゃ速ええ!』
ケーシィ『……』ドンッ
ゴース『ウギャー』
グリーン「なんでテレポートだけで倒してんだ」
ナツメ「いくらエスパーに有利なゴーストタイプとはいえ、弱点である毒タイプも入ってるからね」
グリーン「そういう問題じゃねえよ」
グリーン「こいつはゼル●か!」
ナツメ「何よゼ●ダって」
グリーン「今のどう見ても●ルダのB上だろ上必殺技じゃねえか」
グリーン「そんなのジムトレーナーが使うんじゃねえよ」
ナツメ「???」
ナツメ「全部こんなのじゃないから、こういうのもあるし…」
ナツメ「再生」
レッド『……』
バネブー『ブーブー』ぴょんぴょん
挑戦者『やっちまえニューラ!』
ニューラ『ニャッ!』シャッ
バネブー『ブー』ぴょん
ひょい
ニューラ『ニャニャニャニャニャ!!』
バネブー『ブッ』ぴょーんぴょーん
ひょいひょい
ニューラ『……』イラッ
レッド『……』
バネブー『ブーブー』ぴょんぴょんぴょん
ニューラ『ニャッ!?』
ナツメ「これはあれよ…相手が有利な悪タイプを使ってるからって油断してるのがいけないのよ」
グリーン「それは少しはあるだろうけど、関係ねえよ」
グリーン「しかもぜんっぜん話さないし」
グリーン「もう決まり、はい決定!」
グリーン「レッドがジムトレーナーをやってるといつまでたっても挑戦者にバッジが渡らん」
グリーン「よってレッドがジムトレーナーをすることはこれからずっと禁止だ」
グリーン「このことは俺から言っとく」
ナツメ「いや…いい、私が言う」
グリーン「そうか、わかった」
ナツメ「ただいま…」
レッド「おかえり、遅かったね」
ナツメ「うん、思ったより長引いて」
レッド「もうちょっとで晩御飯できるから待っててね」
ナツメ「うん…」
レッド「どうしたの?元気ないね、会議で何かあったの?」
ナツメ「その…実は会議でレッドがジムトレーナーやっちゃだめってなっちゃって…」
レッド「…ああ…そう」
レッド「いいよいいよ、きっといつかはこうなってたよ…」
レッド「だって一回も負けなかったもんな」
レッド「ジムとしてはよくないと思ったけど…なんていうか負けたくなかったっていうか…」
レッド「向いてなかったんだよ」
ナツメ「そ、そんなことないって…」
レッド「……」
ナツメ「レッ…あ…」
ナツメ「……」
ナツメ「うん…ごめんね、今日はお休みで」
ジムトレ1『はーい、わかりましたー』
レッド「いいの?ジム休んで」
ナツメ「いいのよ、ジムなんてジムリーダーの権限である程度自由できるし」
レッド「……」
レッド「ちょっとお金かしてもらっていいかな…3000ぐらい」
ナツメ「いいけど、どうするの?」
レッド「またちょっと旅に出ようかなーって」
レッド「うん…」
レッド「ジムトレーナーでもなくなっちゃったのにここにいたら邪魔になるだろうし」
レッド「ただでさえナツメに迷惑かけてるのに」
ナツメ「そんな…迷惑だなんて思ってないわよ」
レッド「もうしナツメが本当にそう思っててくれたとしても俺がさ…」
レッド「やっぱ何もしないってのが嫌なんだろうな」
ナツメ「……」
レッド「それはまだ決めてないな」
ナツメ「いつからいつぐらいまでの期間?」
レッド「いつからってのは準備ができ次第だな」
レッド「いつごろ帰ってくるってのはないな、そのままもうずっと帰ってこないかもしれないしな」
レッド「あ、でも借りたお金は絶対返すから」
ナツメ「……」
ナツメ「…そう」
ナツメ「わかった…」
グリーン「ふーん…で、なんで俺のとこ来たの?」
レッド「だから話したじゃん、また旅に出るまでちょっと時間あるからって」
グリーン「ナツメのところにいたんだろ、それまでそこにいりゃいいじゃんか」
レッド「それはその…決心が鈍るというかなんというか…」
グリーン「……」
レッド「……」
グリーン「お前さぁ…ナツメのこと好きだろ」
レッド「うん、よくわかったな」
グリーン「あ、認めるんだ」
グリーン「一緒にいりゃいいじゃん」
グリーン「ナツメもたぶんそうしたいと思うよ」
レッド「……」
レッド「俺だって本当は旅に出ず今まで通りいたいよ」
レッド「でも俺はよくてもナツメはよくないんだよ」
レッド「もしこのままいくと俺は完全ニートのヒモだ、そのうちナツメにとって害になる」
レッド「そんなことになるぐらいだったらナツメにはもっといいやつがいる」
レッド「俺のことなんか忘れるか悪く思ってもらってた方がいいんだよ」
グリーン「3000円借りるぐらいじゃ悪く思ってもらうには弱いだろ」
レッド「俺に合った仕事がない以上、仕方あるまい」
グリーン「……」
グリーン「はぁ…ちょっと待ってろ」
レッド「……」
グリーン「まあ今回のは俺も悪いとは思ってるからな」
グリーン「これなんかどうだ?バトルフロンティアってとこなんだが」
レッド「なあ…どうせ働くならできればナツメといられるようなとこがいい」
グリーン「……」むすっ
グリーン「でもそれは無理だ」
レッド「いや俺の場合、お前の言うような理由もあるっちゃあるけどさ」
レッド「ナツメとかがいないと他のやつと話せないし…」
グリーン「……」
レッド「……」
グリーン「俺が悪かったな、お前にあった条件で探すか」
補給もしてもらってるけども
おつおつ
グリーン「これもダメ」
グリーン(よく考えたらレッドに合う仕事なんてこの世に存在するのか…?)
レッド「なあグリーン」
グリーン「なんだ」
レッド「そもそも俺に合う仕事って何?」
グリーン「それを今考えてるんだろ」
レッド「やっぱ俺なんて旅人やってた方がいいんじゃないかな」
レッド「そんなの無理」
グリーン「そういうと思った」
グリーン「それができたら今こんな苦労してねえか…」
グリーン「もうお前の就職先ナツメの家しかないと思うんだけどな」
レッド「……」
ビーッビーッ
グリーン「あ、悪い、挑戦者来たみたいだ」
グリーン「ちょっと行ってくるからその間いろいろ見てろよ」
レッド「わかった」
レッド「……」
レッド「ない…」
レッド「どうしよう…俺ができそうなのが一つもないぞ」
グリーン「なんかいいのあったか?」
レッド「世間とはこんなに厳しいものなのか?」
グリーン「お前が極端に話せないせいだ」
レッド「でももうそんなのどうしようもないんだけど」
グリーン「ああ、今度はなんだ」
グリーン「はいもしもし」
エリカ「もしもしグリーンさん」
グリーン「あの、エリカ、一応わかってると思うけどお互い仕事中のときはあんまり…」
グリーン「俺だってずっと電話してたいよ」
エリカ「急ぎのことです」
グリーン「な、なんだ何かあったのか!?」
エリカ「そちらにレッドさんがいらしてませんか?」
グリーン「ああ、いるけど」
エリカ「少しジムを空けることは可能ですか?」
グリーン「いけるっちゃいける…」
エリカ「少し協力してほしいんです」
グリーン「レッドのことなの?」
エリカ「はい」
グリーン「うん、いいよ」
グリーン「何すればいいの?」
エリカ「その前に聞いておきたいのですが、グリーンさんはナツメさんとレッドさんのどちらの味方ですか?」
グリーン「え、何それ?状況によるけど…」
グリーン「ああ、言ってた」
グリーン「あいつナツメのことが好きだけど、ナツメにとっては無職の自分といることはよくないだろうってことで旅出るってさ」
グリーン「そんなことだったらナツメにはもっといいやつがいるだろうから自分は消えるんだと」
エリカ「なるほど…そうですか…」
エリカ「ちょっと待ってくださいね」
グリーン「……」
エリカ「お待たせしました」
エリカ「グリーンさんには強制的に協力していただきます」
エリカ「失敗すれば今日のご飯抜き、そして今夜は寝かせません」
レッド「これも…」
レッド「これもだ…」
グリーン「なあレッド」
レッド「電話終わったのか、ずいぶん長かったな」
グリーン「ああ、ちょっとな」
グリーン「そんな無理に探さなくても専業主夫ってのも選択肢の一つとしてあるんだぜ」
レッド「それは家事がちゃんとできる人の場合だろ」
レッド「俺は普通に人並なの」
レッド「てかそれだと結婚してんだろ!俺とナツメはまだ付き合うとかそういうのでもないの」
グリーン「ナツメなんて言ってねえのにどんだけナツメのこと好きなんだ」
レッド「だ…だって…ナツメの…いや…うん…」
グリーン「…本当にナツメのこと思うんだったら旅になんか出ねえでいてやった方がいいに決まってるよ」
レッド「俺がこの先ずっとナツメといて幸せになる自信はある」
レッド「でも俺はナツメを幸せにする自信はない」
グリーン「一緒にいてくれるだけで幸せってこともあるんだよ」
レッド「そんなのまだ若いからだよ」
グリーン「まだ若くてもその生きてきた半分近くナツメはお前を待ってたんだ」
グリーン「それなのにまたどっかに行っちゃうってなったらどうだろうな」
グリーン「少なくともその時はナツメは不幸だと思うな」
グリーン「幸せになってほしいって言ってるやつを不幸にしちゃ何の意味もねえよ」
レッド「……」
グリーン「そうだよ」
レッド「そうか…」
レッド「でも一つ確認しときたい」
グリーン「なんだ?」
レッド「ちゃんとナツメの気持ちを本人から聞かねえと」
レッド「その後俺の考えを伝える」
グリーン「そっか、ちょうどいいや」
グリーン「ついてきな、エリカがナツメを家につれてきてる」
エリカ「グリ~ンさん」
レッド「……」
ナツメ「……」
グリーン「…と、仕事に戻んないとな」
エリカ「そうですね」
レッド「え!?」
ナツメ「ちょっとエリカ…!?」
エリカ「ふふふ、がんばってくださいねナツメさん」
ナツメ「……」
レッド「結局これじゃあ家と変わらねえな…」
ナツメ「うちこんなに広くないわよ」
レッド「そ、そうだな」
ナツメ「…本当に旅に出るの?」
レッド「……」
レッド「ナツメはどうしてほしい?」
ナツメ「できれば行かないでほしい…」
レッド「……」
レッド「…ってことでまたナツメにお世話になることになった」
グリーン「お前の決意って俺の思ってたよりユルユルなんだな」
レッド「ナツメにあんなこと言われちゃったから…」
グリーン「そこは何があったか知らないけど」
レッド「でもそうなったからにはちゃんと働こうと思うんだよ」
レッド「また探すの手伝ってほしい」
グリーン「それはいいんだけど…」
グリーン「なんでここに来るの?」
レッド「だってナツメ仕事中だから」
グリーン「俺も一応今仕事中なんだけど」
グリーン「結論から言ってお前に合う仕事はない」
レッド「そこをなんとか」
グリーン「まあ聞けよ」
グリーン「なければ作ればいいんだよ」
レッド「作る?」
グリーン「そう、お前ができそうなことで、しかも金がもらえるようなやつ」
レッド「なんかあるの?」
グリーン「なきゃ言わねえ」
グリーン「俺ほどじゃないがかなり強い」
レッド「まだ俺の方が強い自信はある」
グリーン「いやエリカも俺が一番強いって言ってくれるし」
レッド「エリカに聞くなよ、お前贔屓に決まってんだろ」
レッド「って話がズレてる」
グリーン「おっと悪い悪い」
グリーン「正直なところ」
グリーン「しかもジムバッジ取得率、リーグ挑戦者数、その他いろいろな大会の参加者などなど…」
グリーン「こういうのが年々少しずつだが減ってきてるんだよ」
グリーン「そこでポケモンスクールとは違って本気でチャンピオンを目指せるようなトレーナーをたくさん育てようってことになったんだ」
グリーン「簡単に言うと弟子をとるってことだな」
グリーン「ジムリーダー5人以上またはチャンピオン以上の役職一人の承認を得たトレーナーがその資格を得る」
グリーン「一応扱いは俺たちジムリーダーと同じ公務員扱いだ」
グリーン「リーグから金もらってトレーナーを育てる」
グリーン「どうだ?これならお前でもできそうだろ?」
レッド「……」
グリーン「昨日できたばっかだ」
レッド「え?」
グリーン「お前のことだからどうせ旅に出ず、なんか仕事ねえかって言うと思ってた」
グリーン「だからあの後リーグに行って、いろいろやって、できたってわけだ」
グリーン「だからお前が第一号の予定だ」
レッド「でも…弟子育てるってさ…最初は知らねえやつだろ?」
グリーン「別に同時に何十、何百人と育てるわけじゃねえんだ」
グリーン「俺やナツメとは普通に話せるんだしよ、もう一人や二人ぐらいいけるだろ」
レッド「うーん…」
グリーン「よし、この話をしたときにもう承認はされてるからお前がこれの第一号だな」
レッド「…じゃあ誰を育てたらいいの?」
グリーン「……」
レッド「……」
グリーン「そー…れはー…考えてなかったな」
レッド「えっ」
グリーン「そのうちなにかしらあると思うからさ」
グリーン「他のジムリーダーとかにも誰かいないか聞いとくよ、最終的に決めるのはお前だけど」
グリーン「それまでは今まで通り過ごしてくれてていいから」
レッド「…無職じゃん」
ナツメ「すごいわレッド、働くなんて偉い」
レッド「でもまだ何もすることないよ…」
ナツメ「それでもそういう職を持ってるなんてすごいことよ」
ナツメ「しかも世界にあなたただ一人だし」
レッド「いや…各地方でもこういうのをやっていくってグリーン言ってたし俺以外もそのうちでてくるよ」
ナツメ「それは後々でしょ」
ナツメ「私は今のことを言ってるの、ほめてるんだから素直に喜びなさいよ」
レッド「うん…」
レッド「これからのトレーナーを育てるっていうけど、俺今まで誰かに何かを教えるなんてことしたことないんだよ」
レッド「どうやったらいいのかな?」
ナツメ「どうやったらって言われても…」
レッド「ジムリーダーってアドバイスとかよくするじゃん」
レッド「そうだ、明日からジムに」
ナツメ「いいわよ」
レッド「まだ言ってないんだけど」
ナツメ「レッドの頼みならなんでもOKよ」
挑戦者「やったぁ!」
ナツメ「おめでとう、これが私に勝った証のゴールドバッジよ」
挑戦者「ありがとうございます!」
――――――――――
挑戦者「うう…負けちゃった…」
ナツメ「惜しかったわね」
ナツメ「いくらタイプでは有利なポケモンを使ったとしても技をちゃんと選ばないとだめよ」
挑戦者「はい…」
レッド「……」
ナツメ「ねえレッド」
レッド「なに?」
ナツメ「改めて意識してみると私ってそんなアドバイスしてなくない?」
レッド「さっき負けた子に言ってたじゃん」
ナツメ「あれってさよくよく考えたら当たりまえのことじゃない」
ナツメ「勝った子には何も言ってなかったと思うし…」
レッド「コトネちゃんってよくここ来るよね」
コトネ「わお!今日はレッドさんいるんですね」
ナツメ「コトネもけっこう暇なんだと思う」
コトネ「そうでもないですよ、毎日ナツメさんやレッドさんのこと考えて妄想していそがしいですよ」
レッド「それって暇っていうんじゃ…」
ナツメ「一応私のマネージャーなのにほとんど何もしないのよね…」
コトネ「これでもウツギ博士のお手伝いをしたり、そうじゃないときはおじいちゃんとおばあちゃんがやってる育て屋の方に行ったりしてるんですよ」
ナツメ「そうだったの、知らなかった」
コトネ「それでもこうしてここに来てるのはもちろんレッドさんとナツメさんのお嫁さんになるためなんですから」
ナツメ「もちろんの意味がわからない…とりあえずそれだと私男になっちゃうじゃない」
コトネ「いえいえ私は女同士もアリだと思いますよ」
ナツメ「それは別に考え方の一つだから否定も何もしないけど、レッドと私のお嫁さんって二人と結婚してるじゃない」
コトネ「はい」
ナツメ「!」
ナツメ「レッ…レレ…レッドとけ…けっ…こ…//」
ナツメ「は、話飛びすぎじゃ…」
コトネ「そして次に」
ナツメ「そこ無視しないでよ」
コトネ「私がレッドさんかナツメさんのどちらかと」
コトネ「最後にもう一方と私」
コトネ「こうすれば3人とも幸せです」
キョウヘイ「ちょっと待ったー!」
キョウヘイ「ある時はポケウッドのトップ俳優」
キョウヘイ「ある時はとある街の町長」
メイ「またある時はテレビに引っ張りだこの人気女優」
メイ「またある時は未来のレッドさんのお嫁さん」
メイ「しかしてその実体は、正義と真実の使徒、メイ!」
コトネ「なんだキョウヘイか」
メイ「今はメイちゃんです!ちゃんと目の前で変身して名前まで名乗ったでしょ」
ナツメ「…今日はどうしたのメイちゃん?一応今ジムやってるんだけど」
メイ「そしたら私以外のレッドさんのお嫁さんだとかふざけたことが聞こえてきたので」
コトネ「ふざけてんのはてめーだろ」
メイ「ふざけてません」
メイ「この姿の時にこんなにメイちゃんのキョウヘイ部分が反応した男性は今までいませんから」
コトネ「何言ってんだこいつ」
コトネ「ナツメさんからも言ってくださいよ」
ナツメ「え…そのー…」
ナツメ「こ、こういうの決めるのは最終的にはレッドが決めることだし私たちがどうこう言っても…」
レッド「ナツメ」
メイ「早いです」
レッド「だって俺ナツメのこと大好きだから…」
メイ「むぅ…」
コトネ「そういうことだから帰りなさい」
メイ「帰りませんよ、元々はこういうこと言いに来たんじゃないんですから」
メイ「レッドさん、私と再戦お願いします!」
レッド「まあ…それならいいけど…」
メイ「いきますよ!先輩に鍛えなおしてもらったんです、今日こそ勝ちますよ!」
メイ「ピカチュウの完璧な攻略法を考えてきたのにまさかラプラスが来るとは…」
レッド「俺の手持ちピカチュウだけじゃないからね…」
メイ「それもそうか…毎回毎回ピカチュウが最初とは限らないわけだし…」
メイ「でもレッドさんの一匹にこっちは六匹使って対策するわけだから…」
メイ「6×6の36匹…」
メイ「うーん…」ぶつぶつ
レッド「……」
ナツメ「どうって…バトルのことよね」
レッド「そう」
ナツメ「さすがレッドだなとは思ったけど」
レッド「今のを俺が育てるであろうトレーナーにあれが伝わるのかな」
レッド「どうやっても教えられるとは思えないだよ…」
ナツメ「私はそんなことを今は考えなくていいと思う」
ナツメ「相手のレベルにあわせて少しずつあげていくべきよ」
ナツメ「だからあなたが今考えてるようなことはまだまだ先の話なんだから」
レッド「そうか…相手にあわせてか…」
グリーン「おいレッド、電話ぐらい出ろよ」
レッド「電話…?」
レッド「ああ、ほんとだ電話きてた悪い」
レッド「だからといって直接来るとは…」
レッド「今一応いそがしいんだが」
グリーン「……」
グリーン「そうは見えん」
グリーン「レッド決まったぞ」
レッド「何が?」
グリーン「お前が育てる子だよ、弟子が決まったんだ、ちゃんとやれよ」
コトネ・メイ「弟子!?」
コトネ「レッドさん聞いてませんよ!弟弟子ができるなんて」
コトネ「一番弟子の私には教えてくれてもよかったじゃないですか」
メイ「そうですよ真の一番弟子の私も何も聞いてなかったですよ」
グリーン「なんだ、もうお前には弟子がいたのか?」
レッド「いや、いないけど…」
レッド「そうだな」
ナツメ「それじゃあジムを」
グリーン「おっとお前は仕事中だろ、ジムに残れ」
レッド「ええー、ナツメ来ないの」
グリーン「ジムリーダーが挑戦者が来てないからってフラッと出かけるわけにもいかんだろ」
レッド「……」
ナツメ「……」
グリーン「なんだよ」
グリーン「俺はいいんだよ、別に」
ナツメ「うん、気をつけてね」
コトネ「ナツメさん安心してください、代わりに私がついて行きますから」
ナツメ「ちょっと不安だけどいないよりはマシかな…」
メイ「じゃあ私も」
メイ「コトネさんだとナツメさんの言う通り不安ですからね」
ナツメ「ん…なら…お願いね」
レッド「なんかこの辺見たことあるような気がする…」
グリーン「気がするじゃなくてあるだろ」
グリーン「ほらあの家見てみろ」
レッド「んー…誰の家だっけ…」
グリーン「マサキの家だろ」
レッド「まさき…?」
グリーン「…会えばピンとくるかも」
マサキ「あーい」
ガチャ
グリーン「きたよー」
マサキ「おっ待っとったでグリーン」
マサキ「それにレッド、久しぶりやな~、でも全然変わってへんな!」
レッド「……」
レッド(どっかで見たことある気はするな…)
マサキ「なんや?女の子つれとんか、レッドは知らんけどグリーンは結婚しとったやろ、愛人か?」
グリーン「冗談はよせ、俺はエリカ以外興味ない」
グリーン「おじゃましまーす」
グリーン「あれ、お前の家こんなのだっけ?」
マサキ「あちこちリフォームしたり増築したりしたからな」
グリーン「ふーん」
マサキ「あんま興味なさそうやな」
グリーン「いや、別に…そんなことないよ」
レッド「……」
グリーン「思い出しただろレッド?」
グリーン「知ってるやつなんだから普通に話せるだろ」
レッド「いや…まったく…」
レッド「あれは誰なんだ」
グリーン「マサキだって言ってだろ」
レッド「わからん…」
グリーン「じゃあ覚えろ」
グリーン「それぐらいわかんだろ!」
レッド「だって女の人でできたから、あれマサキ?」
グリーン「女の人って…」
ルザミーネ「初めまして」
グリーン「……」
レッド「……」
グリーン「あれは誰かわかんない」ひそひそ
レッド「初めましてって言ってるし初対面だろ、バカ」
グリーン「何度も会ってるやつの顔忘れるくせによくバカとか言えるな」
グリーン「いや、俺はグリーンって言ってレッドはこっち」
レッド「……」
ルザミーネ「わたくしルザミーネといいます、よろしくお願いします」
レッド「……」
ルザミーネ「?」
グリーン「ああ、こいつ緊張してんすよ、お姉さん美人だから」
ルザミーネ「まあ…ふふ」
マサキ「勝手に起きたらあかんやろ!」
ルザミーネ「大丈夫ですよ、今は気分がいいですし」
ルザミーネ「それに一日のうち3時間ぐらいならいいって言われたじゃないですか」
マサキ「まあそうやけど…」
マサキ「あ、そや、レッド、グリーンこの人はルザミーネさんいうて」
グリーン「さっき聞いた」
グリーン「それよりリーリエ…ちゃん?だっけ?」
グリーン「その子は?」
ガチャ
リーリエ「ただいま帰りました」
グリーン「教科書のようなタイミングだな」
ルザミーネ「リーリエこっちいらっしゃい」
ルザミーネ「話したでしょ、この方がレッドさん」
リーリエ「リーリエです、これからよろしくお願いします」ぺこ
レッド「……」こく
グリーン「こういうときぐらい普通に挨拶しろよ」
グリーン「ちゃんと妹さんを育ててくれますよ」
リーリエ「妹…?」
ルザミーネ「あら、わたくしたちは姉妹ではなく親子ですよ」
グリーン「え」
レッド「……」
ルザミーネ「わたくしもう40半ばですからね」
グリーン「……」
レッド「……」
ルザミーネ「はい」
グリーン「……」
レッド「……」
グリーン「とりあえず、もう今日からで大丈夫ですかね?」
ルザミーネ「いいわよねリーリエ?」
リーリエ「はい」
グリーン「お前もいいな?」
レッド「……」こく
グリーン「よし…俺戻るから後はそっちで頼むな」
レッド「ああ」
グリーン「バイビー」
レッド「……」
コトネ「ルザミーネさんって人綺麗な人でしたね」
レッド「うん…」
メイ「でもおっぱい全然なかったですね」
レッド「うん…」
レッド「え?」
レッド「……」
リーリエ「?」
レッド「……」
リーリエ「あの…レッドさん?」
メイ「何固まってるんですか?」
コトネ「キョウヘイはレッドさんのこと何もわかってないからね」
メイ「だから今はメイちゃんです!」
コトネ「ここはこの私に任せなさい」
コトネ「レッドさん」つんつん
レッド「……」ぴく
レッド「うん…」
レッド「一回ヤマブキに戻ろうかと思う」
コトネ「まさかジムにですか?」
レッド「うん」
コトネ「何か教えるんじゃないんですか?」
レッド「ちゃんとやるよ…」
レッド「あそこならトレーニング用のフィールドとかもあるし…」
コトネ「なるほどさすがレッドさんです」
メイ「ただナツメさんに会いたいだけじゃ…」
コトネ「しっ!」
リーリエ「えっ…いきなりジムですか?」
コトネ「うん、レッドさんが言うことに間違いはたまにしかないから大丈夫」
リーリエ「で、ですが…」
リーリエ「私はまだポケモンすら持ってないんです…」
コトネ「って言ってますけどどうします?」
レッド「別にジム戦をしに行くわけじゃないから…」
コトネ「ジム戦をするわけじゃないから黙って俺について来いって」
レッド「……」
リーリエ「わ…わかりました」
コトネ「なんでよ、普通じゃない」
メイ「え~、私には全然やさしくないじゃないですか」
コトネ「私より年下で私より大きいおっぱい持ってる人にやさしくする必要なんてあるの?」
メイ「そんなのって幼稚園児より上でいるんですか」
コトネ「……」ぴく
コトネ「目の前にいるでしょ!見なさい!このクレベースの背中のような胸!」
リーリエ「!?」
メイ「そんなこと言ったらコトネさんのはマッギョみたいですね」
コトネ「それむしろへこんでるじゃねえか!」
レッド「けんかはよくない…」
コトネ「む…」
メイ「はーい…」
レッド「……」
レッド「ごめんね…」
リーリエ「いえ…ほ…ほんとのことですし…」
レッド「…二人ともほんとはいい子たちだから」
リーリエ「私ジムに入るのは初めてです…」
リーリエ「少し緊張します」
コトネ「あ、そっちじゃない」
リーリエ「え?」
コトネ「そっちは普通の挑戦者だったり客が入る方の入り口だから」
コトネ「今回はこっち、裏口から」
リーリエ「あ…はい」
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