■前スレ
奈緒「さーて、晶葉から借りたゲームでもやるか……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491146376/
奈緒「22時か。よし、今日もやるかぁ」
奈緒「前回のセーブデータは……えーと、これだ」カチッ
奈緒「昨日はとりあえずロボの顔見せまではやったんだよな。あとは夜にPさんと千秋さんがよろしくやって」
奈緒「ん……ロード中の画面があるのか。通信中とSDサイズのロボのドット絵……中々凝ってるな」
奈緒「おっ、ロードが終わった。さて、今日も進めるか……」
――――
――
分岐なしの一本道でも個人的にはよかったけど
P「……」
晶葉「スクリーンに映っているヤツの型番はGUWD-001、機体名タケミカヅチ。ヨーロッパ連合のほうで開発されている可変人型戦闘機をベースに開発したダイオウカーの支援機だ」
P「……」
晶葉「機体本体の腕部、脚部の各所には近接戦闘用の実体剣を装備させている」
晶葉「この実体剣はダイオウカーに採用しているビーム粒子を、超振動を用いて剣本体に定着させて攻撃性能と耐久性の向上が図られている。通常戦闘であれば何度使用しても問題はない」
晶葉「また、破壊者の規模によっては近接戦闘そのものが困難の場合がある。携行武器としてはビームライフル、砲撃用のキャノン、高速戦闘用の機関砲を用意している」
晶葉「出現した破壊者の解析結果に合わせてダイオウカーを支援するための武装オプションを随時選択、出撃することになる。分かったか?」
P「……」
整備士「あの、博士……彼、何か言いたそうですけど」
P「俺、ロボットに乗ったことなんてないんだけど」
晶葉「大丈夫だ。お前、何か免許は持っているか?」
P「普通自動車免許と、普通二輪」
晶葉「なら問題ない。少し訓練すればいけるだろう」
P「免許持ってたところでその少しの時間は軽減されないだろ」
整備士「そりゃそうですよ」
P「ていうか機械に法術を組み込めるものなのか」
晶葉「面倒なので詳しい話は省略するが、ダイオウカーの出力を上昇させるための刻印同調と思ってもらえればいい」
P「まあ俺は法術は詳しくないし……この機体は純粋に軍用兵器の延長ってことか。まあ、何でもいいや」
整備士「一応マニュアルは用意してますよ。早速シミュレーター動かしてみますか?」
P「あ、いや、ちょっとその前に別件があるんだ。そっちを終わらせてからまた来ようと思ってたけど」
晶葉「なんだ、千秋に何か振られてるのか?」
P「ほら、あれだよ、あれ……桜霞の面倒」
整備士「ああ、それですか。それなら後でまた集まりましょうか。タケミカヅチのシミュレーターは用意しておきますから」
P「すみません……ってことで、また頼むよ」
晶葉「うむ、一応お前用のPCも準備してあるから、後で取りにきてくれ。ついでにマニュアルも入れておく」
……
…………
P「とはいえ、この城広すぎだろ……どこのテーマパークだっての……」キョロキョロ
P「地図とか貰っておきゃよかったな。ええと、確かあの子らは城の外にある屋敷にいるんだったか……とりあえず外に出て……」
翠「あら……Pさんではありませんか。このような場所で、どうかなさいましたか?」
P「ん、ああ翠……さんか。いや、ちょっと外に出たいんだが城が広くて」
翠「私のことは気軽に呼んでくださって構いませんよ。外でしたら、桜霞のみなさんのところですね。ご案内しますよ」
P「助かるよ。ありがとう」
……
…………
翠「……では、今後は彼女たちと同じ訓練プログラムに参加するつもりですか?」
P「そうしたほうがいいだろうなって思ってさ。ロボットに乗ったことなんてないし」
翠「基礎訓練であれば良いと思います。ダイオウカー専用の訓練であれば、監督して頂くことになるとは思いますが」
P「監督って言っても、ただ見てるだけになりそうだけどな……というか、実際に戦いになったら俺もどうなるかわからない」
翠「私は、Pさんであれば問題ないと思っています。先日、戦闘区域で私の一合を受け止めた胆力も……」
P「ん、どうした?」
翠「……そういえば、まだお詫びをしておりませんでしたね。先日は、大変申し訳ありませんでした。こちらの勝手とはいえ」
P「いや、もう終わったことだし気にしなくてもいいよ。こっちだって事情が分からないわけでもないから、ここに残ることにしたんだし」
翠「ありがとうございます。千秋さんからは、ある程度のお話は頂いているとは思いますが……」
P「……」
……
…………
千秋『彼女たちの刻印の回復……これが最重要よ。貴方の刻印を使い、戦闘で消耗した彼女たちの刻印を回復させる』
千秋『刻印は神から授けられた力、選ばれた者が持つ魔を退ける力……貴方も、法術は見たことがあるでしょう?』
P『……一応』
千秋『そうね。貴方も刻印を持っているもの……貴方自身が、刻印を使うことが出来ないとしても』
P『使い方を教わっていないだけだ。他のことは、教えられたけど……それだけは……』
千秋『貴方の刻印は彼女たちの物……彼女たちは刻印を燃やしてダイオウカーを操り……貴方は彼女達に自らの刻印を捧げるの』
P『それはいい。使いもしない刻印が、戦うあの子たちの助けになるなら……それで、俺はどうすればいいんだ』
千秋『簡単よ。彼女たちと……キスをしなさい』
P『すみません、もう一回言ってくれませんかね』
……
…………
P「聞いたには聞いたけど……まあ、意味が分からなかった」
翠「そう……ですよね。城にいる者たちは全員知っていますが……ダイオウカーと、桜霞の件ですよね。みなさんの刻印を回復させるための……その……」
P「消耗した刻印を回復させるためとは言われたけど、アレってそんなに消耗する物なのか?」
翠「通常であれば余程のことにはなりません。私や、千秋さんも刻印は持っておりますし、実際に法術を行使しても大事にはなりません」
翠「ですがダイオウカーを操る際には常に刻印を燃やし続けるため、場合によっては命に関わります。戦闘後は彼女たちの消耗も相当なものでしょうから……」
P「応急処置でも何でも、他人の刻印を使って回復できるなら急いでやったほうがいいってことか……俺はエネルギータンクみたいなもんか」
翠「言ってしまえば、そうかもしれませんね」
P「それはそれで、やることがハッキリしているからいいんだけどな」
P「しかし戦闘の支援と、終わった後のケアもするとなると……俺自身も死なないようにしておかないとなぁ」
翠「ええ、私たちも戦闘の際は出来る限りのサポートをしますので」
翠「はい。屋敷まで行きましょうか?」
P「いや、ここまで来れば1人で行けるよ」
翠「そうですか。それなら、私は別件がありますのでこれで。何かありましたら、書斎のほうにいますので」
P「そっか。ありがとう」
翠「桜霞のみなさんのこと、よろしくお願いしますね」
P「……」
翠「どうかしましたか?」
P「いや……桜霞、桜霞か……黒川千秋からも聞かされたが、前の仕事をしていたときにちらっと聞いたことがあったなと思って」
翠「そういえばPさんは以前、タレント事務所でお仕事をなさっていましたね」
P「そこら辺も知られてたのか俺は……まあ、クビになる直前に、ちらっと聞いただけで」
翠「本来の目的としては、黒川重工に資金提供をして頂いている方々にこちらの情報開示を行う為の合図になります」
翠「彼女たちがメディアに映るときは、所定の場所で有識者会議が開かれることになっていますので」
P「随分と回りくどいお知らせだな」
翠「ふふっ、そうですね。でも、私は嫌いではありませんよ」
P「そうか、桜霞、ね……」
翠「……何か?」
P「いや……ユニットの名前、か……桜霞……」
翠「ええ、そうですが……」
P「うん、まあ……特に何もないよ」
……
…………
P「来てそうそうで悪いんだけど、1つ聞いていい?」
珠美「なんでしょうか?」
P「なんで西洋風の城の横にこんな屋敷があんの? しかも中庭付きで」
珠美「さあ……珠美がここに来たときには既にありましたので……」
P「気にしたら負けか……」
紗枝「……そないなこと言うために、うちらを集めたんどすか?」ハァ……
P「ああいや、まだ全員来てないからちょっと気になったことを聞いただけで……まだ3人だけか」
珠美「3人? 珠美と紗枝ちゃんしか来ていませんが……」
P「上に1人いるぞ」
シュッ!
あやめ「むっ……気配を殺したはずのわたくしを察知するとは……」
P「え?」
あやめ「む?」
紗枝「あとは歌鈴はんやけど……」
ダダダダダダッ!!
ガラッ!
歌鈴「すっ、すみませえええあああああああっ!?」ズシャアアアアアアッ!!
P「おうふっ!?」ドゴォッ!
あやめ「歌鈴殿の頭がP殿の鳩尾に直撃したでござるな」
P「い、いきなり何すんだ……」ゲホッ!
歌鈴「あ、あいたたたた……す、すみません……急いできたんですけど、足が滑って……」
P「んなお笑いやってんじゃないんだから……ほら立ってくれ……」
歌鈴「は、はいぃっ……」
珠美「はい! それで、今日は何のお話ですか?」
P「とりあえず俺の挨拶と、このメンバーの今後の活動内容の話だ。順番に言うぞ」
P「まず、昨日顔くらいは見てもらったと思うが、俺が今日から皆のダイオウカーでの戦闘、アイドルユニットとしての活動、その他全般の支援をするPだ。よろしく頼む」
あやめ「なるほど……つまりわたくしたちの主となる方と」
歌鈴「よっ、よろしくお願いしますっ!」
紗枝「戦闘も、あいどる活動も……ほんまに出来るんどすか?」
P「戦闘は何ともいえないが、アイドル活動の支援であれば前職の経験があるから何とかなると思っている。ということで次だ」
P「今後、このメンバーの活動の基本は破壊者との戦闘が発生するまでは原則として、学業、ユニット活動、ダイオウカーの操縦訓練の3つになる」
P「ユニット活動……桜霞、については原則4人で行動する。破壊者の存在が明確になったため、今後黒川主体の会合も多くなるとのことだ」
紗枝「……桜霞、に何か気になることでも?」
P「いや……特にないかな、うん」
珠美「アイドル……そ、そっちのお仕事も増えるんですか……珠美、あまりそちらのほうは……」
P「あとは、ダイオウカーの操縦訓練については俺も少し参加させてもらう」
P「一緒に訓練をするのは基礎部分のところまでだが、こっちも支援機で戦闘に駆り出されることになっているから、戦闘ではよろしく頼むよ」
紗枝「ろぼっとに乗ったこともあらへんのに?」
珠美「た、珠美たちも素人からパイロットになりましたけどね……大丈夫なんですか?」
P「仕事と言われたらそれまでだから、俺も覚えるしかないからな。足手まといにはならないようにする」
紗枝「……うちらの邪魔だけは、せんといてほしいわぁ」
P「まあ、努力はするよ」
歌鈴「い、一緒に頑張りましょう! 私も、ツクヨミヒメの操縦……まだ慣れてなくて……」
P「そうか。じゃあ、これからよろしく」
あやめ「承知致しました」
珠美「はいっ!」
紗枝「大丈夫やろか……」ハァ……
P「……あと、1つ聞いていいか? 昨日の戦闘、確か5機のロボットが出てきてたと思うんだが……後の1人は?」
歌鈴「……さ、さぁ……誰なんでしょう?」
P「え?」
あやめ「少なくとも、わたくしは存じません。先の戦闘であのブロッサムディーヴァを見たのも初めてで……」
珠美「たしか、楓さんはブロッサムウイングと言ってたような……?」
紗枝「……うちもよう知らへん。ただ千秋はんは、だいおうかーは5人のぱいろっとが必要や言うてました」
P「……そっか。わかった、それなら後で知ってそうな人に聞くよ。ありがとう」
……
…………
P「……」カタカタカタッ!
P「PCと端末の同期を取って……あとは池袋博士と整備士から送られてきたロボットのマニュアルは入れておくか」ピッ!
P「……部屋が広くて落ち着かないな。ホテルに泊まっているみたいだ」
P「しかしここにある資料も凄い量だな。確かに、国外では地球外生命体との戦闘がいくつか起きている話は報道されたことはあるが……」カタカタカタッ!
ピピッ!
P「今回出現した破壊者は過去の例のどれにも当てはまらない、全く新しいタイプの侵略者ってことか……」
P「あとは……観測された次元振動の規模……次元断層による空間歪曲現象、修復結果……ダメだ、まるで意味が分からん」カチッ、カチッ……
P「ここら辺は博士とか、そこら辺の人たちの領分か……」
P「……ん、もうこんな時間か。しばらく部屋に引き篭もったけど」
P「誰かの様子でも見に行くか、それとも他に何か……」
安価選択(会いに行くアイドルを下記から選択してください)
1.歌鈴
2.紗枝
3.珠美
4.あやめ
5.その他
↓1
1.歌鈴
P「……歌鈴、そういえばあの子だけは違うロボットに乗っていたな」
P「他のメンバーと違って、合体した後のダイオウカーの核になる人型……操縦する負担も大きいのかもしれないな」カタカタカタッ!
ピピッ!
P「刻印の最低同調率、ツクヨミヒメの機体出力……細かい数字は分からないけど、やっぱり、他のパーツに該当するヤツよりも難しいものなのか」
P「……少し、様子を見に行ってみるか」
……
…………
P「とはいえ、あの子らは普段は何をしてるんだろうか。とりあえず、また屋敷のほうでも……」
ドドドドドドッ!
P「ん?」クルッ
歌鈴「ど、ど、どいてくださあああああああい!!」ズザアアアアアアッ!
P「へぶっ!?」ドゴォッ!
歌鈴「ひゃあああああっ!?」ドサッ!
P「いって……な、何だ、どうしたんだよ……」
歌鈴「はっ!? P、Pさん!? す、すみません私……あ、あのっ、お城のお手伝いさんたちのお手伝いをしてて、その……」
P「お手伝いさんのお手伝い……ああ、ここにいるメイドの人たちの手伝いってことね……で」
歌鈴「はい……?」
P「とりあえず、ぶちまけた洗濯物は片付けようか」
歌鈴「えっ!? あ、あああああ私、またやっちゃったぁ……」
P「どんな歩きかたすれば、あんな転び方するんだか……」
……
…………
歌鈴「すみません……お洗濯物干すの、Pさんにもお手伝いしてもらっちゃって……」
P「いや、別に気にしなくていいよ。俺も今は手が空いていたし」
歌鈴「えへへ、でもよかったです。Pさんにお手伝いしてもらって、いつもより早く終わりそうですし」
P「いつも手伝いやってるのか?」
歌鈴「はい。私、ここに住まわせてもらっていますし、出来ることならお手伝いしようって思っていますから」
P「家には帰らないのか?」
歌鈴「……うーん、まだ帰らないです。多分、ちゃんとやることが終わってからじゃないと、帰れないと思います」
P「そうなのか?」
歌鈴「はいっ! でも大丈夫です。昨日の戦闘も、初めてでしたけど……ちゃんとツクヨミヒメを動かすことも出来ましたから」
P「ツクヨミヒメ……そうだ、聞きたかったんだ。戦闘で刻印を消耗していると思うけど、大丈夫か?」
歌鈴「え? う、うーん……大丈夫だと思います。初めてで、まだちょっと疲れてるかなって気がしますけど……」
歌鈴「だ、大丈夫ですよぉ……いまも、こうしてお洗濯物もしっかり干せてますし」
P「……大事になったら、俺のほうで何とかしないといけないんだぞ」
歌鈴「ふぇ?」
P「……あれ、黒川千秋からはこの城にいる人は皆、俺のやることを知っていると聞いてたけど」
歌鈴「えっ、あ……あああああ……!」プルプルプル……!
P「あ、忘れてたってことね……まあ、いいけど」
歌鈴「い、いえっ!? あの、わ、私大丈夫ですっ、大丈夫ですから!」
P「分かったわかった、そんな叫ばなくても聞こえるから」
歌鈴「ほっ、本当ですよ! ほんとうに、私……」
フラッ……
P「おい!」ガシッ!
歌鈴「ぁ……あれ……? わたし……」ハァ……ハァ……
歌鈴「へ、変、かも……私、大丈夫だって、思ってたのに……」
P「昨日が初めての戦闘なのに、そんなにすぐ体が慣れるわけがないだろ。ほら、無理に動こうとしなくていい」
P(城の中にメディカルルームがあるんだったか、昨日もそこに連れていかれたみたいだし……いや、だけどこの状態で動かすのも……)
歌鈴「ご、ごめんなさい……私、昨日ちゃんと休んだから、大丈夫って……」ハァ、ハァ、ハァ……
P(とはいえ、これが刻印の消耗による症状かは分からん……日差しに当てられたわけではなさそうだけど……どうするか)
1.メディカルルームに連れて行く
2.日陰に移動する
↓1
2.日陰に移動する
P「あまり動かすのもダメか……少し我慢してくれ」グイッ!
歌鈴「んっ……」
P「そこで少し休もう。洗濯物は俺のほうで片付ける」
歌鈴「す、すみま……せん……」
P(刻印の消耗で、戦闘が終わってしばらくは無理をさせれないか……とはいえ、どれほど消耗しているのかが分からないな)
P「ほら、運んでやるから、じっとして」
歌鈴「は、はい……」
……
…………
歌鈴「……」
P「どうだ、気分は大丈夫か?」
歌鈴「は、はい……すみません。あの、足、痛くないですか?」
P「まあ、女の子の頭1つくらい膝に乗せる程度なら何とも」
歌鈴「く、訓練のときは、ちょっと疲れてただけなんですよ。ほ、ホントなんです……」
P「そうか。だけど、本番は違うからな……無理しないで、歌鈴が動けなくなったら皆が困る」
歌鈴「そう……ですよね。私、いきなりPさんに迷惑掛けちゃって……」
P「気にしなくていいよ。皆に何かあったときのために俺がいるんだから」
歌鈴「……はい。ありがとう、ございます」
歌鈴「……」モゾモゾ
P「ん、どうした? やっぱり居心地が悪いか?」
歌鈴「い、いえっ、そ……そういうわけじゃ……ただ、その……ちょっと、恥ずかしくて……」
P「……まあ、それじゃあ俺も少し休むついでに一眠りするかな。歌鈴、気分が良くなったら起こしてくれ」
歌鈴「は、はい……」
[2-2]
……
…………
スレタイに安価の文字が入るときは1スレ分を3分割くらいで投下、無い場合は2分割くらいの投下になります。
1スレの処理が終わった後に[]はまとめて処理するつもりです。
どういうこと…?
P「おーい、誰かいるか?」
珠美「おや? P殿、何か御用で?」
P「そろそろダイオウカーの操縦訓練の時間だろう? 一応声掛けておこうと思って」
珠美「そうでしたか。珠美は後少し素振りをしてから向かおうと思っていましたが……紗枝ちゃんとあやめ殿はもう格納庫に行っているかと」
P「竹刀……剣道の練習か」
珠美「はい! 珠美はこれでも剣士の端くれですから」
P「この時代に剣士……いやまあ、無くはないか。あとは歌鈴か……」
珠美「歌鈴ちゃんなら屋敷の掃除をしていたはず――」
<ドンッ! ガラガラガラッ!!
P「えっ!?」ビクッ!
<ダレカー!!
P「……」
珠美「……はい、まだ掃除中だったみたいですね」
P「今の音、どう聞いても何か崩れた音なんだけど」
珠美「歌鈴ちゃんは少しうっかり屋なところがありますからね。珠美も最初は驚きましたが」
P「ああそう……」
珠美「ま、まあ、屋敷の掃除はみんなで交代でやってますし、今日はたまたま歌鈴ちゃんが当番の日だったので……」
P「とりあえず珠美はそろそろ格納庫に行ってくれ。俺は歌鈴を連れて行くから」
珠美「り、了解です」
……
…………
ガラッ!
P「おーい、無事かー?」
歌鈴「んー! んー!!」バタバタッ!
P「布団の山の下敷きになっとる……おい、大丈夫か?」バサッ!
歌鈴「ぷはっ! はぁ、はぁ……た、助かった……」ハァ、ハァ、ハァ……
P「何やってるんだ……」
歌鈴「はっ!? い、いえっ、押入れの整理をしようと思って……」
P「どうやったら押入れの中の物を全部床にぶちまけることが出来るんだよ」
歌鈴「普通にお布団を出そうとしてただけですよー……」
P「そう……まあいいや、ほら、そろそろ訓練の時間だ」
P「他の皆は格納庫に行ってるから、俺たちも早く行こう。遅くなるのはダメだろう?」
歌鈴「そ、そうですね、それじゃ行きましょうか。よっこいしょっ……わぁっ!?」ズルッ!
ドサドサッ!
歌鈴「い……ったぁい……うう、また転んじゃった……すみません、Pさん……」
P「……すまないと思うなら、早く尻を俺の顔から避けてくれないか」
歌鈴「ひゃあっ!? す、すみません! 私、うっかりしてて……」
P「白か……いや、もう何でもいいや。ほら、早く行こう」
歌鈴「はいぃ……訓練かぁ、はぁ……」
……
…………
歌鈴「お、遅くなりましたー!」タタタタッ!
あやめ「むっ、歌鈴殿、そう走ると……」
グギッ!
歌鈴「ひゃあああああっ!?」ズザザザザァッ!
P「おいおい……転ぶどころかヘッドスライディングかよ」
珠美「だ、大丈夫ですか?」
歌鈴「ううううう……」
紗枝「もう、歌鈴はんもしゃあないわぁ。大丈夫どすか?」
歌鈴「ご、ごめんなさいぃ……」
P「皆はもう専用のパイロットスーツに着替えているな」
珠美「はい!」
紗枝「……あまり、うちらの姿見んといておくれやす」
P「いや、そりゃ無理だろ。操縦の基礎訓練までは俺も一緒にやる側だけど、後の訓練は監督役だし」
紗枝「あんさんが色目使こうて、うちら見てるのがいややわ」
珠美「なっ! 子供扱いは失礼ですよ!」
P「あれ、皆はまだ学生じゃないのか?」
あやめ「いえ、そういう意味で珠美殿は怒っているわけではないかと……」
晶葉「ほらほらお前たち、無駄話をしていないでさっさと訓練始めるぞ」
歌鈴「あ、博士」
晶葉「とりあえずはいつも通り、ブロッサムディーヴァでの通常戦闘のシミュレーターを回すぞ。終わったらダイオウカーに移るが」
晶葉「それと、Pはタケミカヅチのシミュレーターは初めてだからな。今日は個別でやろうか」
P「なんだ別なのか」
晶葉「そりゃそうだろう。彼女たちもある程度訓練を積んでいるし、いきなり素人が入っても邪魔にしかならんだろ」
紗枝「うちらの邪魔だけはせんといてや」
あやめ「何事も初めが肝心です。P殿であれば問題ないとは思っておりますが」
P「お世辞をありがとう。まあ、そう言われたら何も言えないか」
歌鈴「Pさん、頑張ってくださいね!」
……
…………
ガチャッ!
翠「失礼します」
千秋「あら翠さん、どうしたのかしら?」
翠「少し調べ物を……千秋さんはどうなされたのですか?」
千秋「昨日、池袋博士から貰った資料の確認よ。破壊者が現れたもの、もう一度目を通しておこうかと思って」
翠「そうでしたか。ヨーロッパのほうに連絡はしたんですか?」
千秋「まだ入れてないわ。日本の政府軍はあまり当てにならないし、早いうちに向こうと協力ができればと思っているけれど……」
千秋「その前に、私たちのほうで成果を出す必要があるわ。ダイオウカーが破壊者を断つ剣であることを証明するのが先よ」
翠「後は、私たちの……いえ、この世界の猶予ですか」
千秋「……そうね。池袋博士と、周子さんたちの話が本当であれば、ね」
翠「先に、あの人だけでも戻ってきて頂けるようにお話しておきましょうか?」
千秋「それについては向こうから連絡があったわ。ダイオウカーが動いたのなら戻ってくると言っていたわ」
千秋「そうね。あの子もそろそろ、みんなに紹介してもいいかもしれないわね……彼は?」
翠「今は桜霞のみなさんと訓練中です。後でお話は聞こうと思っていましたが」
千秋「そう……ふふっ、上手くやってくれるといいけれど」
翠「……ずいぶんとご機嫌ですね。昨日、Pさんとはどんなお話をしたんですか?」
千秋「えっ……あ、いえ、彼の協力を得るために私たちのこととダイオウカーのこと、破壊者のことを理解してもらったわ」
翠「そうでしたか。よく納得して頂けましたね」
千秋「そうね……彼については仕込みもあった分、それが良い方向になったと思うわ」
翠「……まあ、私たちもPさんのことについては納得していますから」
千秋「ごめんなさいね。翠さんだけじゃなくて、楓さんや美優さんにも同じように無理をさせてしまって」
翠「いえ、私は……それに、以前緊急時とはいえ、Pさんには大変失礼なことをしてしまったこともありますので」
千秋「そう。まあ、彼とは上手くやっていきましょう。少なくとも、即戦力であることは間違いないもの」
……
…………
パシュンッ!
P「あー……しんど、何だこれ」ガタッ!
晶葉「……」
P「こりゃ戦闘機動かすのは相当しんどいな……やっぱ自動車免許持ってるからって何もならないだろ」ハァ……
晶葉「……」
P「空飛んでるし、セスナの操縦資格でも持ってたらまた違ったのかもしれないけど……そうだ博士、どうだった?」
晶葉「初回搭乗でこの記録か……いや、こいつに関しての話はそれなりに聞いていたが、仕込みの結果か? いや、それにしても……」
P「博士?」
晶葉「ん……ああ」ピクッ!
P「とりあえず最初のプログラムはやれたけど……いやこれ難しいってやっぱり……」
晶葉「そうか……いや、素人にしては随分と良かったぞ。多分、センスはある」
P「それならいいけど……次はどうすればいい?」
晶葉「いや、今日はこれくらいにしよう。いきなり飛ばすと体にも悪い」
P「そっか……それじゃあ桜霞の訓練でも見てるかな」
晶葉「そうしておけ。私は今回のシミュレーターの結果をフィードバックしておくよ。後でデータは渡してやる」
P「ありがとう。それじゃ、向こうはどうなってるかな……」
……
…………
珠美『地上歩行型の無人機が接近しています! 数は3つですよ!』
あやめ『わたくしのストライカーで空から牽制します。紗枝殿は地上から敵の足場を崩してください!』ギュンッ!
紗枝『ほならいきますえ! ぶろっさむきゃのんや!』ズドォンッ!
ドガァンッ!
無人機「!?」ピピピッ!
あやめ『珠美殿!』ドガガガガッ!
珠美『いきますよ! ドリルアターック!』ギュルルルルッ!
ガガガガガガッ!!
無人機「……!」ガガガガガッ!
珠美『よしっ、あやめ殿と珠美で3機を抑えましたよ!』
紗枝『今のうちに……!』ズドォンッ!
歌鈴「は、はいっ! ツクヨミヒメ、いきますっ!」グッ!
ガションッ! ガションッ!
歌鈴「ターゲットロック……パンチ一発で――」ズルッ!
歌鈴「きゃあああああっ!?」ズザザザザザッ!!
あやめ『むう……また転んでしまわれて……』
珠美『い、いま援護を……』
無人機「……」ズドォンッ! ズドォンッ!
歌鈴「ひっ、ひいいいいいいっ!?」ビビビビビッ! ビビビビビッ!
ビーッ!!
紗枝『あきまへんなぁ……』
……
…………
パシュンッ!
歌鈴「うううう……」グスッ
珠美「今日は何回目でしたっけ?」
あやめ「5回シミュレーターを回して4回転倒してツクヨミヒメが爆散しておりますな」
紗枝「記録更新やろか?」
歌鈴「せっ、せっかく本番は上手く出来たのに……」
あやめ「実戦で上手く戦えたのは……火事場の馬鹿力というか、なんといいますか……」
紗枝「偶然やろなぁ」
歌鈴「」ガーン……
珠美「おや? P殿、珠美たちの訓練を見ていらしたのですか?」
歌鈴「えっ!?」
P「ん、ああ……俺のほうは早く終わったから、そっちはどうなのかなって思って」
P「何だよ……別にこんなところで取って食うわけじゃないんだから」
紗枝「信用できまへん」フイッ
P「……で、歌鈴は大丈夫か? 大分すっ転んでいたみたいだけど」
歌鈴「う、うううう……わ、私、その……訓練やっても、いつも転んでばっかりで……」
珠美「歌鈴ちゃんのツクヨミヒメは、珠美たちと操縦方法が違いますからね。やっぱり難しいのかと」
P「そうなのか?」
珠美「ブロッサムディーヴァは椅子に座って操縦桿を握りますけど、ツクヨミヒメは人型なので歌鈴ちゃんの体の動きに合わせて動く仕組みなんですよ」
P「はー、モーショントレースみたいなシステムが入っているってことか」
あやめ「というわけで、ツクヨミヒメが転ぶのは歌鈴殿の前方不注意ということですね」
歌鈴「うう……」
P「うーん、どうしたもんか……」
……
…………
P「ふぅ……」
歌鈴『う、うううう……わ、私、その……訓練やっても、いつも転んでばっかりで……』
P「……今日の訓練、一通り見たが……確かにあの子はこういうの、得意じゃあなさそうだな」
P「……」
『これはいつか、貴方の力となるわ……P、貴方の運命として……』
P「そうだよな、戦いとか、そういうのって普通は軍がやるもんだよな。母さん、どうして俺は……」
P「……もうこんな時間か。俺は早くに終わったが、桜霞の訓練は長かったな」
安価選択(会いに行くアイドルを下記から選択してください)
1.紗枝
2.珠美
3.あやめ
4.その他
↓1
1.紗枝
――ブラックパール城(食堂)
P「しかしここも、いつ行っても食堂で飯食えるのはいいなぁ……しかも定食はタダで食えるのか」
P「まあ、メイドの人たちや開発部は夜勤も多いだろうし、ここはずっと開いてなきゃダメだろうが……」
P「ん?」
紗枝「……」
P(テーブルに座ってるのは……あの子か。何だかあの子は俺の印象が良くないみたいなんだよなぁ)
P(というか、1人で飯食ってるのか。一応指導担当だから何か話しておいたほうがいいのか……いや、でもなぁ)
P(訓練とかで疲れているだろうし、ゆっくりさせてあげたほうがいいのかもしれんし)
1.紗枝のテーブルに座る
2.静かに食堂を出る
↓1
1.紗枝のテーブルに座る
P「お疲れさん。紗枝、今日は1日大変だったか?」ガタッ!
紗枝「変態や」
P「すみません、開口一番にそんなこと言われると私も心が痛むのでやめてくれませんかね……」
紗枝「事実やし」モグモグ
P「事実て……いや、間違っても事実じゃないんだが……やっぱりみんな、黒川千秋から聞かされてるよなぁ」
P『それはいい。使いもしない刻印が、戦うあの子たちの助けになるなら……それで、俺はどうすればいいんだ』
千秋『簡単よ。彼女たちと……キスをしなさい』
P「俺の名誉のために言っておくけど、俺は協力するって話をした後に聞かされたからな。決してやましいことは何もないからな」
紗枝「せやけど、千秋はんからお話聞いてから、下心もおるんやないの?」
P「いや俺、どっちかっていうと同年代くらいの女性が好みだから……」
紗枝「変態」ボソッ
P「い、言わせたのはそっちだろ……」
P「……なあ、聞いていいか?」
紗枝「なんや?」
P「俺はさ、この城のことや、破壊者のことは昨日今日って知ったばかりなんだけど……紗枝、どうして戦っているんだ?」
紗枝「……」
P「紗枝だってまだ学校に通って、遊んだりするだろう? 本当はこういうことは、政府軍とかがやることじゃないか」
P「ダイオウカーが政府軍以上の戦力があるのは俺もわかったけど、それにしたって……」
紗枝「……うちがせなあかんことやから」
P「紗枝が? どうして?」
紗枝「ずうっと昔から、そうやって教えられたさかい。だいおうかーのお話がうちのところに来たのも、ずうっと昔から決まっとったことや」
P「……そうなのか」
紗枝「あんさんがうちらの力になれるとは思えへんけど」モグモグ
P「ばっさり切り捨てないでくれませんかね……確かに俺は戦闘機とか触ったこともなかったけどさ」
紗枝「千秋はんも翠はんも、なしてこんな人連れてきたんやろか……」
P「……」
1.P「例え戦闘で力になれなかったとしても、他で力になれることはあるはずだ」
2.P「それでも、戦闘で皆の盾になるくらいは出来るさ」
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2.P「それでも、戦闘で皆の盾になるくらいは出来るさ」
P「それでも、戦闘で皆の盾になるくらいは出来るさ」
紗枝「……」ピクッ
P「まー支援機って言っても、何するかまだよく分からないけどさ。とりあえずダイオウカーが戦いやすいように――」
紗枝「……あきまへん」
P「ん?」
紗枝「うちらが戦うのは、みんなを助けるためや」
紗枝「いくらあんさんでも……うちらの盾になるなんて、そんなことしはったら……」
P「……まあ、大丈夫だよ」
紗枝「え?」
P「確かに盾役って難しいだろうし、死ぬ可能性も高そうだけどさ」
P「こう言っちゃなんだけど、あの支援機ってダイオウカーと比べるとそもそも小さいから身代わりなんて出来そうにもないし」
P「まあそれでも、紗枝みたいな子たちだけに戦わせるなんて、大人としては良しとは出来ないし、とはいえ俺も死にたくはないし」
P「俺は俺で、無理しない程度に皆の力になれればいいと思ってるよ」
紗枝「……変な人」
P「そうか? まあ、ダイオウカーに任せるのが賢いって話なら、そうかもしれないけどな」
P「とはいえ女の子だけ戦わせるほど俺も腐っちゃいないからな。最後はダイオウカー頼りになるだろうけど、俺に出来る範囲で皆のことは守れるだけ守ってみるよ」ガタッ!
P「さて、飯も食ったし……俺まだ仕事残ってるから、また明日な」
紗枝「……」
紗枝「……ほんま、変な人やわ」
……
…………
P「しっかし本当に覚えること多いなこれ……戦闘機の機器チェックとか……」カタカタカタッ!
P「マニュアル見ても全然分からん……いいや、とりあえず次」ピッ!
P「……次はこれか、桜霞の活動スケジュール」
P「……桜、ねえ……霞」
コンコンコンコンッ!
P「ん……はい!」
ガチャッ……
美優「し、失礼します……」
美優「いえ、Pさんに……司令室の、コンソール操作マニュアルをお渡し使用かと思って……」
P「ああ、次はそっちの手順か……すみません、わざわざ持ってきてもらって。ありがとうございます」
美優「い、いえ……大変ですよね。その……ここに来て、覚えることがたくさんあって……」
P「前の仕事の経験が全然役に立ちませんからね。まあ、黒川千秋の話だとそれはそれで、桜霞絡みで使う機会はあるんだろうけど」カタカタカタッ!
美優「すみません、私も……千秋ちゃんから、Pさんのお世話をするように言われているんですけれど……私も、楓さんも、まだ忙しくて……」
P「気にしないでください。とりあえず自分で出来そうなところは自分で潰しておきますから。何かあったら声掛けます」
美優「すみません……」
P「俺も前線に出るし、司令室の仕事はあまりなさそうだけど……まあ使う画面操作は覚えておかないとダメか」カタカタカタッ!
美優「……あ、あの」
P「はい?」
美優「その、みなさんと……どうですか? 仲良く、できそう……ですか?」
P「んー……そうですね。まだここに来て間もないですけど、上手くやっていけると思いますよ。というか、上手くやっていくしかないっていうか」
美優「何か……?」
P「いや、今日は皆の訓練を見てて……歌鈴がどうにも上手く行ってないようで、どうしたらいいかなって」
美優「歌鈴ちゃん、ですか……そうですね、いつも訓練、大変そうにしていますし」
P「俺はロボットに乗ったことなんて無いから、アドバイスも出来ないしどうしたもんか……」
美優「そう、ですね……私も、戦闘機に乗ることはありませんから……ですけど」
P「ん?」
美優「その、ダイオウカーの操縦の、アドバイスができなくても……歌鈴ちゃんを助けてあげられることって、あると思うんです」
P「……んー、ダイオウカーの操縦以外で、か」
美優「あっ……す、すみません、私……」
P「いえ、すみません、気を遣ってもらって。ありがとうございます」
美優「は、はい……」
P「俺のほうも、技術を教えるのは無理だとしても、何か皆の力になれることをもう少し考えてみますよ」
美優「そうですか……あの、頑張って……くださいね」
P「ええ」
[2-10]
……
…………
珠ちゃん、基本的には「~殿」または「~さん」呼びが多いから。