役者に満ちたこの世界において、誰もが主役を張ろうと切磋琢磨しているが、まったく意図せざるうちに彼女はその事務所の中の主役であった。そのことに当の本人は気づかなかった。今もまだ気づいていまい。
これは彼女が私を追い、事務所を歩き回った記録であり、また、私が彼女を追いかけた足跡である。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1491709930
読者様に置かれましては、彼女の可愛さと彼のまぬけぶりを読み、粗を見つけては、部屋に潜むゴキブリを見つけた時のように、ボコボコ叩きのめしてくれるとありがたいです。
願わくば総選挙は佐久間まゆに
このSSは森見登美彦著「夜は短し歩けよ乙女」のパロディです。
ーー事務所にて
私はプロデューサー(以降P)さんにメロメロです。
スカウトされたあの日から、Pさんは私のハートを鷲掴みにし、その日から、私はアイドルになりました。
あの日から、Pさんへの情熱は絶えず私の心の中で燃えています。
しかし、プロデューサーとアイドル。付き合ってはいけない水と油のような存在です。
そのため、今夜「ミシロ作戦」を決行します。
→私はこの乃々ちゃんから借りた携帯のから「まゆさんは事務室に居ますけど……」と送ります
→事務室へ向かうPさん
→私は事務室で着替えをしていて、そこでPさんとバッタリあって、
「きゃぁ、Pさぁんのえっちぃ//」
→「すまない。……これは責任を取らないと行けないな。まゆ、結婚してくれ」
→「はい、こちらこそ///」
ってなります。絶対!!
……もうそろそろPさんが戻って来ますね。準備をしておきましょう。
俺は佐久間まゆに首ったけである。
街で出会ったあの日から、彼女は俺の心を鷲掴みにした。その時、思い切ってスカウトしたら、1発OK。この事務所にアイドルとして来てくれた。まゆが読者モデルをやっていたと知ったのはその後だ。
……あの時は、怖かったなぁ。
そちら側の事務所へ延々と電話対応をしていた怒りのちひろから、何本エナドリを買っただろう。
鬼!悪魔!ちひ
…いや、エナドリ買っただけで許してくれるちひろさんって、天使じゃね。ツケOKだったし。
そんなことを考えながら事務所へ戻ろうとすると、自動ドアの向こう側に何か光っているものが見えた。
あれは。……まゆのイヤリング?
まゆが落としたのか? でも、イヤリングってそうそう落とさないよな。
まぁいいか、ここに落ちてるってことはまゆはまだ事務所にいるんだな。わたしに行かないとな。
テレリン♪♪
ん? メールか?
from森久保乃々
「まゆさんなら事務室にいますけど……」
……なんで、俺がまゆを探しているのがわかるんだ?
すみませんでした。
できる限り1日以上開けないようにします。
読んでくれてありがとうございます。
ふふ、Pさんだんだんこっちに来てますね、GPSをPさんのスーツに付けといてよかったです。
さあ、Pさん。こっちに来て。2人の未来はすぐそこですよ。
もうそろそろですね。中に入っとかないと。
そうして、事務室のドアを開けると、
「……ちひろさん?」
「!!! ま、まゆちゃん!? どうしてここに!?」
「ちひろさんこそどうs「まゆちゃん!ちょっと、きゅ、休憩室行きませんか!?顔がつかれてますますよ!?ささっ、早く早くっ!!!」
……居ないじゃん。
事務室には誰も居なかった。
ちひろさんも居ないし、サボってるのかな。
まあ、まだ事務所のどこかに居るだろうし、探すか。夜も更けるし、まゆを女子寮に帰らさないと。
「だからねっ、私は何にもしてないよっ!! Pさんのスタドリをこっそり烏龍茶にすり替えてもバレないかなぁとか考えてなかったよ!!」
……聞きたかったことをすぐ言ってくれますね。動転しすぎじゃないですか、口調変わってますよ。
「……Pさん、この前スタドリの味が龍茶と似てるって言ってましたねぇ」
「その時はまだすり替えてないですよ!!!………………あっ」
「ボロが出ましたねぇ。うふふ、うふふふ♪」
……はぁ、Pさんも大変ですね。
夜も深くなりましたね。Pさん、今はどこにいるんでしょうか?
私は、自分のスマホのGPSの追跡アプリを開いてPさんの居場所を確認しました。
……トレーニング室?