モバP(以下P表記)「そうだ。パッションのところがシンデレラでやるらしくてな」
P「おおかたキュートのも白雪姫あたりで続くだろう。そこで―・・・え、やなの?」
凛「絶対に七海が延々鱚の天ぷら食べさせる話になるもん」
P「そうは・・・・・・ならないさ」
凛「間」
渋谷凛
浅利七海
リン「いつ?」
P「シンデレラが二ヶ月後、その後白雪姫を挟んでだからもう二週間ってところだな」
凛「ふうん、ちゃんと準備できそうだね。劇をやりながら設定を作り上げていくんだよね?」
凛「どうしよう・・・ある程度事前に自分の中で設定を作り上げていた方が主導権握りやすいかな・・・」ブツブツ
凛「とりあえず、奈緒達と相談してみるよ。そういう世界観のゲームとかアニメ持ってるかもだし」
P「うん。役は早い者勝ちだからな」
凛「わかった」
神谷奈緒
・・・
凛「ついに私たちの番だね」
奈緒「いやーシンデレラ面白かったよな! 特に50回目とかさ!」
凛「うん。ついにシンデレラと議長が議会を解散させたんだけど、まったく同じメンバーが再任したときなんか、ぷっ、くくくく・・・!」プルプル
北条加蓮「だ、ダメ・・・! お、思い出させないで・・・!」プルプル
奈緒「白雪姫の方も毎回ドキドキさせられるんだよなー」
凛「この前の4回目。女王が毒リンゴ味見した時はさすがに今回は終われないって思ったよ」
奈緒「あとさ、こっちでも取り合いになったけど2作続けてナレーターが結―」
P「そろそろ始まるぞ」
凛「わかった」
凛「行くよみんな。残していこう、だれにも負けない、私たちの・・・私たちだけの足跡を―!」
ブー…
・・・
北条加蓮
・・・
鷹富士茄子『眠れる森の美女』
茄子『これは昔々の物語』
茄子『とある小さなこの国では、お世継ぎがなかなか生まれずにいました』
茄子『子宝はなによりの幸運ですから、王様や王妃様はもちろん国民の全てがその時を待ち望んでいました』
・・・
鷹富士茄子
奈緒(ステファン王)「だ、大丈夫か!? なにかしてほしいことないか!?」ワタワタ
鷺沢文香(王妃)「アナタ・・・少しは、落ち着いて下さい・・・」ヒッヒッフー
奈緒「け、けどさぁ・・・」
岡崎泰葉(大臣)「陛下、王妃様のお身体に障ります。部屋の外で待っていましょう」
奈緒「た、立ち会ってちゃだめか!?」●REC
泰葉「なりません。さあ―」
文香「私なら・・・大丈夫ですから・・・くっ、 ううう・・・!」ヒッヒッフー
ギィ… バタン…
鷺沢文香
岡崎泰葉
奈緒「~・・・!」ソワソワ
泰葉「・・・陛下、すでに日付は替わりました。少し休まれた方が・・・」
奈緒「いやだぞ! 自分の子供が生まれるって時なんだぞ!?」
泰葉「そうですが・・・国王たるのも少しは落ち着きを。もし喜びに胸が爆発したとあっては―」クドクド
オギャー オギャー
奈緒「あっ、い、いやったああああああー!」
泰葉「あっ、もう・・・ふふ♪」
泰葉「おめでとう、ステファン」クスッ
奈緒「やったー!」
奈緒「よおしっ、今日は祝日にするぞ! 国民全員で祝うんだ! あ、あとフィーバードの奴も呼んでくれ!」
奈緒「久しぶりに三人で飲み明かすぞー!」
泰葉「はい!」クスッ
奈緒「それから、それからっ・・・!」
奈緒「そうだな名前だっ! 何がいいかな~・・・ん? うん、そうだな」
奈緒「決めたぞ。夜明けの光・・・オーロラだ!」
・・・
茄子『オーロラ姫の誕生はすぐに国土全域、それから周辺諸国へと知らされ、多くの人がお祝いにお城へと向かいました』
泰葉「準備を急ぎなさい」
トンテンカン トンテンカン
泰葉「えっと、祝日にして、フィーバードにも知らせて、妖精も呼ばせて・・・それから・・・」
茄子『生まれたその日に大勢の人を呼び宴を行うことは準備があっても一大事です』
泰葉「・・・」
茄子『―だからこそ、この時は誰もが考えもしませんでした』
泰葉「・・・」
茄子『彼女にも知らせるべきか否か、招待するべきか否かなど―』
・・・
パンパカパーン
「オーロラ姫―!」
「おめでとうでありまーす!」
泰葉「お隣の国より、フィーバード王とフィリップ殿下―!」
パパパパーン
アナスタシア(フィーバード王)「プリヴィエート、ステファン! おめでとうございます」
奈緒「フィーバード! 良く来た!」ガシッ
アナスタシア「当然です、ね? 親友の子供が生まれたんですから」
アナスタシア「喜びで胸が爆発しそうです♪」
奈緒「ははは、こいつめ」
アナスタシア「さぁ、フィリップ? 姫にご挨拶を」
佐々木千枝(フィリップ王子幼少期)「こ、こんにちは赤ちゃん・・・♪」
アナスタシア
佐々木千枝
アナスタシア「それにしても女の子で良かったです」コソッ
奈緒「そうだな。なあ、あの約束覚えてるか?」コソッ
アナスタシア「もちろんです。二つの国を一つに」コソッ
奈緒「ああ、二人を許嫁にしよう」コソッ
茄子『ふふ♪ オーロラ姫とフィリップ王子。運命で結ばれた二人はこの時出逢ったのでした』
泰葉「続きまして、この国を見守って下さる良き妖精のお三方―!」
パンパパーン
川島瑞樹(妖精)「この度はおめでとうございますわ、陛下、王妃さま」
三船美優(妖精)「まあ、なんて可愛らしいのかしら! 私も―」
高垣楓(妖精)「姫が良き人生を歩めるよう、私たちから贈り物を送らせて下さい。一人一つずつ」
川島瑞樹
高垣楓
速水奏
泰葉「! マレフィセント・・・」
茄子『・・・』ドキドキ
奏「王族、貴族・・・それから平民に至るまで、全員いるのかしら?」カツ コツ…
奏「招待状くらい送ってくれてもいいのに、失礼しちゃうわね。私、まだ誕生日を気にするような年齢じゃ―」
奏「あら? ごめんなさい、貴女達もいたのね」クスッ
瑞樹「ふふふ・・・どうしてそんな話の最中に気付いたのかしら?」ピキッ
楓「あらあらうふふ」ピキッ
美優「本当に、大した大人になれていないままこんな年になってしまって・・・」ハァ
瑞樹「はいそこ落ち込まなーい! 用がないもの、悪い魔女なんて呼ばないに決まってるでしょ!」
奏「用がない・・・? まぁ、それなら本当に呼ばれていなかったことは手違いではなかったということかしら」
奏「気をきかせて出向いてあげたけど、それならお暇した方が良さそうね」クルッ
文香「怒っては・・・いらっしゃらないのですか?」
奏「ええ、もちろん。そうね、それじゃあ私からもお姫様に贈り物を差し上げようかしら?」
奏「良く聞きなさい。オーロラ姫はそれはそれは美しく成長し、その優しさから如何なる存在からも愛され、そして―」
奏「16歳の誕生日の日没を迎える前に糸車の針を刺し、老いを知ることなくその生涯を終えるでしょう―!」グオオオオン
文香「ひ、ひどい・・・!」ヒシッ
奈緒「この魔女を捕えろ!」チャキッ
ジャキッ
奏「下がりなさい!」ゴッ
泰葉「くっ!? なんてオーラ・・・! 近づけない・・・!」
奏「うふふ♪ あは、あははははは!」スゥ…
奈緒「逃げられたか・・・くそっ!」
楓「お気を落とさず。まだ美優さんの贈り物が残っております」
奈緒「じゃあこの恐ろしい呪いを解いてくれ!」
瑞樹「それは・・・出来ないの。マレフィセントの力は強すぎて・・・」
瑞樹「でも、今ならまだ結末を変更することはできる」
美優「はい。いきます・・・!」
美優「オーロラ姫。たとえあの魔女の呪いの通り針が刺さろうとも死ぬことはありません。ただ、長い眠りにつくだけ。そして、心からの愛の印により呪いが解かれ目覚めるでしょう」シャララララーン
茄子『なんということでしょう。恐ろしい呪いをかけられてしまったオーロラ姫。辛うじて最悪の結末からは逃れましたが―』
奈緒「国中の糸車を焼き払え! 例外なく全部だ!」
ゴッ メラメラ バチバチ
茄子『オーロラ姫を案じるステファン王は国中から糸車をなくしてしまいました』
楓「こんなことをしたくらいでは彼女には対抗できないのに・・・」
瑞樹「きーっ! あの女! 絶対なにかしてくるに決まっているわ!」
美優「なにか、対抗できないでしょうか? 16歳の誕生日を超えるまで、マレフィセントから逃れるために・・・」
楓「うーん・・・あっ、魔法でもう大人にしちゃえばいいんじゃないでしょうか? お酒も一緒に飲めますよ」
瑞樹「駄目よ、青春を無くすなんて残酷すぎるわ」
美優「マレフィセントを倒す、とか・・・」
瑞樹「出来るかしら・・・そもそも、私たちの魔法は誰かを害することには使えないし・・・」
瑞樹「やっぱり直接ぶつかりたくはないわ。リスクが高すぎる」
瑞樹「16歳の誕生日までオーロラ姫をマレフィセントから隠し通すような・・・そうよ、隠れちゃいましょう!」
楓「かくれんぼですか?」
瑞樹「裏をかくのよ。あっちもこちらの抵抗は予想しているでしょう。だからあえて何もせず、魔法も使わないでその痕跡も残さないようにして、ひっそりと森で育てるの!」
楓「どなたが・・・?」
瑞樹「私たちがよ」
美優「まあ。でも、出来るでしょうか・・・? そんな経験まだ一度も・・・」
瑞樹「人に出来るなら大丈夫♪ さあ、王様たちの所に行くわよ!」
・・・
・・・
茄子『妖精たちの申し出を王様と王妃様は身が引き裂かれるような思いで了承しました』
奈緒「頼んだぞ・・・」
瑞樹「この命に代えても」
茄子『その日の夜、闇にまぎれて妖精とオーロラ姫は旅立ちました』
奈緒「これが、最善なんだ・・・」
文香「アナタ・・・」
奈緒「ああ・・・本当は行かせたくなんかない。してあげたいこと、一緒にしたいこと、いくらでもあるんだ」
奈緒「初めて出来た子供なんだぞ。それに、あの子は親を知らずに育つことになる・・・」
奈緒「でも・・・ダメなんだ。今一緒にいても、あの子を守ってあげられないから・・・」
泰葉「・・・騎士団長」
大和亜季「ここに」
泰葉「後をつけて。くれぐれも気付かれないように」
亜季「御意」シュンッ
・・・
大和亜季
・・・
茄子『そして、十余年の月日が流れました・・・』
加蓮(オーロラ姫)「何度も夢に見る人がいる」
新田美波(フィリップ王子)「・・・♪」ニコッ
―――
――
―
加蓮「散歩して、お話して、別れ際に優しく抱きしめられて、そこで―」
加蓮「いつも、目が覚める」
加蓮「アナタは、いったい誰なの・・・?」
新田美波
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