※ 久々のラジオドラマ風
※ ナレーション(CV.大川透)
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N『今回のお話は、スタジオに向かう途中の車内から始まります』
P「あー……お腹が空いて来ちゃったなぁ~」
冴島清美「何です突然? ……あ、信号青になりましたよ」
P「おっ、サンキュー」
清美「どういたしまして」
P「……じゃ、無くてだな。あーあぁ、お腹が減って来ちゃったなぁ~」
清美「……何が言いたいんですか、プロデューサー」
P「何ってお前ね、昔からよく言うだろうが。『腹が減っては台所』ってな!」
浜口あやめ「つまみ食いの極意ですかな?」
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P「ママによく、怒られたぁ~」
城ヶ崎莉嘉「Pくん、お母さんのことママって言うんだ」
小関麗奈「なによ、マザコン?」
P「バカァ。お母さんは敬いなさいって、習わなかったのかよ学校で」
諸星きらり「Pちゃんはお母さんのこと、好き好きうきゃー! なんだにぃ」
P「まあな。母の日には毎年滝のようなカーネーションを――って、違ーう!」
P「あー、腹が減って死にそーだー!」
清美「分かった分かった分かりましたから! だから耳元で怒鳴るのは止めてください!」
清美「……要するにあなたは今、お腹が空いてるんですね?」
P「やっと分かったか? そうだぁ!」
莉嘉「やっと分かったか☆」
あやめ「このうつけ者め!」
清美「……怒りますよ?」
莉嘉&あやめ「ごめんなさい」
麗奈「アンタらね、このアホに付き合ったら損するだけよ」
P「おい麗奈! お前な、今俺のことを馬鹿にしたか?」
麗奈「全然、アホにしただけ」
P「そうか……なら良し!」
清美(薄々分かってたことだけど)
麗奈(コイツやっぱり)
莉嘉(お馬鹿さんだー!)
きらり「にょわにょわにょわ……ホントにいいの? Pちゃん」
P「うん? あ、そうそうそうだ。思い出した」
P「どっうしっておっ腹は減っるのっかな~♪」
きらり「あんっ! そっちぃ!?」
あやめ「お腹が空くから減るのです」
莉嘉「でもさ、Pくんの言うとーりお腹空いたー」
麗奈「……まぁね。もうすぐお昼だし」
きらり「次のお仕事が終わるまでは、我慢がまんだよ二人ともぉ」
清美「タイトなスケジュールの弊害ですね。……まぁ、それだけ仕事が順調だってことですが」
P「なにせ俺がプロデュースしてるからな!」
清美「そこが一番の謎で、ネックなんですが……」
N『その時、一行の行く手にレストランの看板が』
P「おっとぉ? あんなところに洒落たレストランがあるじゃない」
清美「まさか、寄る気じゃありませんよね」
P「当然、頭では分かってるよ。無視してスタジオに行けってな」
清美「ほっ、良かった」
P「……だけどなぁ、体の言い分も聞いてみないと」
清美「良くなかった!」
莉嘉「Pくん体とおしゃべりできるの? すごーい!」
麗奈「はい、馬鹿発見」
あやめ「流石はプロデューサー殿ですな! 珍しい特技をお持ちのようで」
麗奈「もう一人いたわ……」
きらり「だけど清美ちゃんの言う通り、Pちゃん寄り道はダーメっ♪」
P「固いこと言うなよ。少しぐらいなら時間はあるし、余裕余裕」
莉嘉「そっか、ならオッケーだね☆」
あやめ「何の問題もありませんな!」
麗奈「ちょっと、この馬鹿二人を今すぐ車から降ろせない?」
清美「麗奈さん、そんなことできるハズないでしょう?」
きらり「そうそう、車は急に~止まれない☆」
P「だな!」
清美「いえ、そういう意味じゃなくてですね」
清美「――って、ダメだって言ってるのにどうして車線変えてるんですかっ!?」
P「ぬぉっ!? な、なんてこった! 俺の手がハンドルを勝手に!」
清美「小芝居したって誤魔化せません!」
P「いやね、どーにも体が反抗期で――」
莉嘉「それよりPくん前見て前っ!!」
あやめ「く、車がっ!」
きらり「きゃああっ!?」
麗奈「ぶつかるぶつかる!!」
P「ふんぬっ!!」
N『刹那、車はPの強引なハンドル捌きによってレストランの敷地内へ!』
キキィーッ! ガツンッ! ガリガリガリッ!!
P「……ヒュー」
清美「あ、あぁ……生きてる?」
P「どうやら無事に、駐車場へと入れたようだな!」
麗奈「無事? 無事ですって!?」
麗奈「対向車と正面衝突しそうになって、おまけにブロック塀で車体擦って!」
麗奈「どこをどう見て『無事』なのよ!!」
N『そうして小関君が指さす先には、気を失っている諸星君に浜口君が活を入れています』
P「だが、最善は尽くしたことは認めてくれい!」
莉嘉「でもでも車、傷だらけになっちゃった。怒るだろうなー、美世さん」
P「なーに、心配するない。誠意を込めて謝れば――」
あやめ「笑って許してもらえるものでしょうか?」
P「説教と弁償だけで済むハズだ!」
莉嘉「それ、この前も言ってなかったっけ?」
麗奈「月に三度は聞く台詞ね」
清美「正直、この人の送迎はもう受けたくないですよ……」
きらり「うきゅ~……まだ、お目々がぐるぐるしてるにぃ……」
『何はともあれ、入店です』
店員「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
P「五人です!」
清美「六人ですよ」
P「何だとっ!? ひー、ふー、みー、よー……おっと、自分を数え忘れてた」
店員「は、はぁ」
P「すみません店員さん。僕たち皆で七人でした!」
清美「どうして増えてるんですか!?」
きらり「すみません、六人です」
店員「……で、ではお席に案内いたします」
P「はい! お願いします!」
麗奈「はぁ~……お間抜け」
P「おいおい麗奈、随分だな」
P「自慢じゃないが、俺は足し算引き算なんでもござれだ」
麗奈「……アンタ、何でもござれの意味分かってる?」
P「ただし、暗算できるのは二桁まで!」
清美「た、たったの二桁……」
莉嘉「でも、さっきの計算は一桁だよね?」
P「それに加えて九九だってできる! ……が、割り算になるとちょっと怪しい」
莉嘉「じゃあじゃあアタシの方がPくんより凄いよ! リカは割り算もできるし、方程式だって解けるもーん♪」
P「ホーテーシキ? おいおい莉嘉。人と話をする時に、難しい専門用語を使うなよな」
莉嘉「センモンヨーゴ……千個の並んだ門のこと? ヨゴさんって人の家の」
麗奈「……莉嘉、こんな馬鹿と張り合うのはよしなさい」
きらり「そしてそして、きらりにはわかゆ。Pちゃん、まーた勘違いしてる」
P「ホーテーシキってのはあれか? 裁判所でする……算数のイベントか何かか?」
莉嘉「Pくんの通ってた学校は、裁判所なんかでテストしたの?」
あやめ「……ああ、お二人の会話が噛み合ってない」
清美「この人、本当に大人ですよね? 学校だって卒業した」
N『一応大学も出てるそうですよ』
清美「嘘っ!?」
あやめ「……そして清美殿は、一体誰と話しておられるのですかな?」
店員「それではこちらの席へどうぞ。ご注文が決まりましたらお呼びください」
P「はい! ありがとうございます!」
清美「いちいち大きな声を出さない。……恥ずかしいんだから、もう!」
きらり「だけどだけど、そこがPちゃんの良いとこだゆ?」
麗奈「きらりはコイツに甘過ぎね……よいしょっと」
あやめ「あっ、お待ちくだされ麗奈殿」
麗奈「ん、なに?」
あやめ「隅の席はわたくしに。わたくしめが座ります」
莉嘉「あやめちゃん、いっつも隅っこに座るよね」
P「忍者だからな」
清美「超☆忍びですね」
あやめ「いやはや全く、お二人に忍びとして褒められるのは恐縮ですが――」
清美(褒めたつもりじゃないんだけどな)
あやめ「残念ながら、違います。もっと普通の理由ですよ」
莉嘉「フツーの理由? どんなリユー?」
あやめ「それはですね。ここなら店内全体と、出入り口が一緒に見張れますから」
麗奈「その回答、まんま忍者の答えじゃない」
あやめ「なんと! 確かに麗奈殿の言う通り……」
P「不覚を取ったな、あやめ!」
あやめ「くぅ……! 自分は至らぬ忍びです!」
P「だからこそ、精進の余地もあるというもの!」
あやめ「プ、プロデューサー殿!」
P「さぁ、クヨクヨする暇があったら立ち上がれぃ! あやめよ、お前の忍びを見せてみろ!」
あやめ「プ、プロデューサーどのぉ~~っ!!」
きらり「……ぐすん。これぞ美しき師弟愛だにぃ」
清美「ただ騒がしくてうるさいだけでしょ。……茶番にはついて行けないわ」
清美「とにかく、一旦みんな座りましょうか」
P「はい、すぐに!」
あやめ「どうもお騒がせを致しまして」
莉嘉「あ、なんか満足したみたい」
清美「はいはい、皆さん詰めて詰めて」
莉嘉「アーターシーはー……Pくんの隣ー☆」
きらり「じゃあじゃあきらりも、Pちゃんの隣~☆」
P「うぐっ!?」
麗奈「ちょ、ちょっと! 今、物凄くえぐい音したわよ……」
N『例えるならそう、お肉を全力で叩いた音を、もっと重たくしたような響きでした』
P「みんな座ったな? じゃ、早速メニューメニュー」
清美「平気……みたいですね」
あやめ「日頃の修練の賜物ですな」
麗奈「馬鹿だから、骨が折れてても気づかないんじゃ……いや、いいわ」
N『小関君、賢明な判断』
きらり「PちゃんPちゃん、メニューどーぞ」
P「気が利くな! お礼に頭を撫でてやる」
きらり「うきゃ~!」
清美「ちょっと、セクハラですよ」
莉嘉「でもでもきらりちゃん嬉しそー」
麗奈「全く、食事の前から胸焼けなんてさせないでよ」
きらり「……麗奈ちゃんも、なでなでされゆ?」
P「なんだ、麗奈も撫でて欲しいのか?」
麗奈「んなワケないでしょ!? バッカじゃないの!!」
莉嘉「ねーねーみんなは注文決めたー? ボタンはアタシに押させてねー♪」
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